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THG株が急落、第3四半期の成長鈍化見通しを嫌気

Summary
英Eコマース大手THGの株価が、2026年上半期の好決算にもかかわらず急落。第3四半期の売上高成長率が大幅に鈍化するとの見通しが示され、投資家の売りを誘った。
英Eコマース大手THGホールディングス(THG Holdings PLC)の株価は10日、2026年上半期の増収増益決算を発表したにもかかわらず13.4%急落し、27.44ペンスで取引を終えた。投資家は良好な実績よりも、短期的な成長見通しに対する厳しい警告を重く受け止めた。
業績見通しの急激な悪化が株価を直撃
同社が発表した2026年上半期(1~6月期)決算では、売上高が恒常為替レートベースで前年同期比7.2%増の8億2,870万ポンド、調整後EBITDA(利払い・税引き・減価償却前利益)は同2倍以上の4,280万ポンドとなり、いずれも会社側のガイダンスを上回った。
しかし、市場の注目は第3四半期(7~9月期)の見通しに集中した。同社は、第3四半期の売上高成長率が約2%にまで急減速するとの見通しを警告。上半期の7.2%成長からの大幅な鈍化が示されたことで、投資家の間で懸念が広がった。株価は取引時間中に一時、52週安値となる26.68ペンスまで下落した。
EUの関税規則変更が主な要因
成長鈍化の主な要因として、THGは欧州連合(EU)による関税規則の変更を挙げた。7月1日から、これまで適用されていた150ユーロ以下の輸入品に対する関税免除(デミニミス)が撤廃され、代わりに荷物1個あたり3ユーロの均一料金が課されるようになった。この変更が、特に同社のビューティー事業に打撃を与えているという。
Adさらに、以下の要因も成長の足かせとなっていると説明している。
- 欧州の夏の熱波による消費者需要の減退
- 自社ブランド美容製品の収益計上が第4四半期および2027年にずれ込むこと
財務への懸念も重荷に
短期的な見通し悪化に加え、投資家は同社の財務状況にも神経をとがらせている。英国歳入関税庁(HMRC)に対して係争中の6,000万ポンドに上る栄養補助食品関連の付加価値税(VAT)還付請求は、10月末まで実質的な進展が見込まれていない。また、3億2,970万ポンドの純負債も懸念材料となっている。
THG経営陣は、第4四半期には成長率が6~7%に回復し、通期ではコンセンサス予想に沿った業績を達成できるとの見通しを改めて示したが、市場の不安を払拭するには至らなかった。投資家は、改善しつつある収益性よりも、当面の実行リスクとバランスシートへの懸念を優先した形だ。