Story
ドイツ銀行、ルンドベックを「売り」に格下げ 主力薬レキサルティへの逆風を懸念

Summary
ドイツ銀行は、デンマークの製薬会社ルンドベックの投資判断を「売り」に引き下げた。売上高の約25%を占める主力薬「レキサルティ」が、競合、薬価引き下げ、特許失効という複数の逆風に直面し、長期的な収益の減少が予測されるため。
ドイツ銀行は、デンマークの製薬大手ルンドベック(Lundbeck)の投資判断を「ホールド」から「売り」に引き下げ、目標株価を40デンマーククローネ(DKK)から36DKKに下方修正した。同行は、同社の総売上高の約25%を占める主力抗精神病薬「レキサルティ」が複数の逆風に直面し、2026年から2030年にかけて年平均で1桁台前半の減収になると予測している。
レキサルティが直面する三重の圧力
ドイツ銀行のアナリスト、ニール・アレキサンダー氏は、レキサルティの将来性に対する懸念として3つの主要な圧力を指摘した。これらが長期的な収益基盤を侵食する可能性があると見ている。
- 競合の激化: 競合薬である「Auvelity」との競争が激しくなっている。
- 薬価引き下げ: 2028年には米国のインフレ抑制法(IRA)に基づく薬価引き下げが予定されている。レキサルティの米国売上高の約35%がメディケア(公的医療保険制度)向けであり、大きな影響が見込まれる。
- 特許失効: 2029年に米国での特許が失効し、後発医薬品との競争に晒される「パテントクリフ」を迎える。
業績見通しとバリュエーション
Adドイツ銀行は、ルンドベックが開発後期の段階にあるパイプライン資産の評価を引き上げたものの、2028年以降に予測されるレキサルティの価値の減少を相殺するには不十分だと分析している。特に、第4四半期に第3相臨床試験の結果が発表予定のてんかん治療薬候補「bexicaserin」などへの期待だけでは、主力製品の落ち込みをカバーできないとの見方だ。
新たな目標株価である36DKKは、前回の終値44.66DKKから約18%の下落余地があることを示唆する。この目標株価は、2027年度の予想株価収益率(PER)を6倍と想定しており、これは欧州の同業中小型株の平均と比べて約66%のディスカウントとなる。この評価には、目前に迫るパテントクリフ、M&Aリスク、そして予測される収益減少が織り込まれている。
市場の反応とその他の動向
この格下げを受け、ルンドベックの株価は一時41.81DKKまで下落した。また、同社の支配株主であるルンドベック財団の投資子会社は、A株をB株に1対1で交換する任意公開買付を開始しており、市場におけるB株の供給量が増加する要因となっている。