Story
バンク・オブ・アメリカ、FRB利上げ観測にもかかわらず年末までのドル相場は横ばいと予測

Summary
バンク・オブ・アメリカは、市場が米連邦準備制度理事会(FRB)による追加利上げを織り込む中でも、米ドルは年末までレンジ相場が続くと分析。市場の期待を上回る金融引き締めは困難との見方を示した。
バンク・オブ・アメリカ(BofA)は最新のレポートで、市場が米連邦準備制度理事会(FRB)による9月の利上げを高い確率で織り込んでいるにもかかわらず、米ドルは年末まで横ばいで推移するとの見通しを示した。市場の期待を上回るペースでの金融引き締めは困難であると指摘している。
市場の期待とドルの上値
BofAの分析によると、最近の消費者物価指数(CPI)発表後、市場は9月の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ確率を約85%織り込んでいる。しかし、こうした強い利上げ観測にもかかわらず、ドル相場は会議を前に軟調な展開となっている。
その背景には、市場がすでに3回を超える利上げを価格に反映させていることがある。このため、FRBが市場のタカ派的な期待をさらに上回り、他のG10主要国の中央銀行を凌ぐ金融引き締めを行うハードルは非常に高いとBofAは見ている。
ドルセンチメントを圧迫する複合要因
ドルに対する市場心理は、7月のFOMC以降、弱含んでいる。BofAは、FRB議長が記者会見で高止まりするインフレへの明確な対応策を示せなかったことが、FRBの信頼性への疑念を招いたと指摘する。
Adその後も市場は以下のような相反するシグナルを受け取ってきた。
- ジャクソンホール会議でのFRB議長による軌道修正の試み
- 8月の好調な雇用統計
- ウィリアムズ総裁やウォラー理事などFRB高官からのハト派的な発言
- 米国債利回りを抑制するための米財務省による国債買い戻しプログラム
国際的な動向と今後の見通し
通常ドル高要因となる原油や天然ガスなどエネルギー価格の急騰にもかかわらず、ドルは上昇の勢いを欠いている。同時に、世界各国の主要中央銀行による金融政策や利回り曲線の再評価も、ドルの上値を抑える要因となっている。
これらの要因を踏まえ、BofAはドル相場が年末までレンジ内での動きを維持すると予測。ただし、日本円に対しては例外的に変動が大きくなる可能性があるとしている。この分析は、同行が最近発表したレポート「G10 FX Back to School: Unburdening the USD」で示された。