Story
UBS、ソノバの投資判断を「買い」に引き上げ―株価の割安感と製品サイクルを評価

Summary
UBSは、補聴器メーカー大手ソノバの投資判断を「中立」から「買い」へ引き上げ、目標株価も242スイスフランに上方修正した。競合デマントに対する株価の割安感や、市場に過小評価されている製品サイクルなどが主な理由。
スイスの大手金融機関UBSは、補聴器メーカー最大手ソノバ(Sonova)の投資判断を「中立」から「買い」に引き上げ、目標株価を従来の206スイスフランから242スイスフランに上方修正した。これを受け、同社の株価は5%以上上昇した。
格付け引き上げの背景
UBSは今回の格付け引き上げの主な要因として3点を挙げている。ソノバは現在、UBSが同セクターで最も推奨する銘柄となっている。
- 株価の割安感: 競合のデマント(Demant)社に対し、株価収益率(PER)ベースで約5%のディスカウントで取引されている。過去5年間の平均では15%のプレミアムがあったことを踏まえると、この相対的な割安感は過去5年で最も魅力的な水準に近いとUBSは指摘している。
- 製品サイクル: 市場に十分に評価されていない、競争力のある耳かけ型(RIC)製品のサイクルが期待される。
- コンセンサスを上回る業績予想: UBSの業績予想が市場コンセンサスを4~6%上回っている。
UBSによると、デマント社の耳あな型製品「Oticon Zeal」がシェアを拡大したことで投資家の関心が同分野に集まり、ソノバの株価が相対的に割安になっているとの見方を示した。
目標株価と業績見通し
AdUBSが新たに提示した目標株価242スイスフランは、7月21日の終値200.40スイスフランから約20%の上昇余地を示唆するものだ。この目標株価は、加重平均資本コスト(WACC)を8.2%(従来は8.4%)、永久成長率を2.0%と仮定したDCF(ディスカウンテッド・キャッシュフロー)法に基づき算出されている。
同行はソノバの業績見通しも引き上げており、2027年会計年度の調整後希薄化後1株当たり利益(EPS)予想を従来の10.74スイスフランから11.28スイスフランへ5%上方修正。これはVara社の集計した市場コンセンサス(10.52スイスフラン)を上回る。2028年度および2029年度の予想も同様にコンセンサスを上回っている。
業界動向と市場での位置付け
UBSは、補聴器業界が過去3ヶ月で欧州の医療技術セクター全体を20%以上アウトパフォームしたと指摘。この傾向は続くと予想している。その理由として、同業界が米国の待機的手術件数の鈍化、コストインフレ、中国の集中購買制度改革といった、より広範なセクターが直面するリスクから比較的隔離されている点を挙げている。
スイスに本拠を置くソノバは、約70億ドル規模の補聴器市場における最大手企業である。売上の約50%を補聴器、約40%を聴覚ケアサービス、残りを人工内耳が占めている。