Story
JPモルガン、欧州鉱山機械株の選好順位を変更 エピロック格上げ、サンドビック格下げ

Summary
JPモルガンは、欧州の鉱山機械セクターにおける投資判断を見直し、銅関連事業への期待からエピロックを「オーバーウエート」に引き上げた。一方、タングステン価格のリスクを理由にサンドビックは「ニュートラル」に引き下げた。
JPモルガンは、欧州の鉱山機械メーカーに対する選好順位を変更し、エピロック(Epiroc)の投資判断を「ニュートラル」から「オーバーウエート」へ引き上げた。同時に、これまで選好していたサンドビック(Sandvik)については「オーバーウエート」から「ニュートラル」へ引き下げた。
投資判断変更の背景
JPモルガンは年初来、上流(アップストリーム)の鉱山設備投資のテーマからサンドビックを選好してきたが、今回その判断を覆した。同行はその理由として以下の3点を挙げている。
- 銅関連事業への期待: 複数の大規模な銅プロジェクトが最終投資決定に近づいており、金よりも銅へのエクスポージャーを重視する戦略に転換した。
- 探鉱事業の成長性: エピロックは新規開発(グリーンフィールド)の探鉱事業への関与が早く、この分野の回復から早期に恩恵を受けるとみられる。
- タングステン価格のリスク: サンドビックの収益にとって追い風であったタングステン価格が、今後はリスク要因になるとの見方を示した。
エピロック:銅と探鉱事業が追い風
JPモルガンは、今後の受注の勢いは銅によって牽引されると予想している。エピロックの鉱山受注における銅関連の割合は36%と、サンドビックの21%を上回る。これを受け、同行はエピロックの設備・サービス部門の受注伸び率予測を2027年度に11.6%(従来9%)、2028年度に9%(従来7.8%)へ引き上げた。
また、エピロックは新規探鉱活動の回復から恩恵を受ける初期の受益者と目されている。この事業は現在、同社グループ受注の約5%を占め、2023年以降、年平均17%の成長を遂げている。JPモルガンはエピロックの目標株価を300スウェーデンクローナから320スウェーデンクローナに引き上げた。
Adサンドビック:タングステン価格が重荷に
一方、サンドビックについては、これまで業績の追い風となっていたタングステン価格が、次第に重荷になるとJPモルガンは指摘する。同社の粉末事業における価格・コスト面の恩恵は、第3四半期からマイナスに転じると予想されている。
中国以外の鉱山からの新たな供給が市場に出回ることで、価格には下落リスクがあると分析。この収益予想への下振れリスクを反映し、サンドビックに適用する評価倍率(EV/EBITA)を従来の17.0倍から15.0倍に引き下げた。目標株価は460スウェーデンクローナから400スウェーデンクローナに引き下げられている。
セクター全体の見方
JPモルガンは、鉱山機械セクター全体としては、引き続き上流(採掘)よりも下流(加工・処理)関連企業を選好する姿勢を維持している。セクター内での選好順位は、ウィアー(Weir)とFLSmidth(共に「オーバーウエート」)が最上位で、それにエピロック、メッツォ(Metso)、サンドビックが続くとされた。