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JPモルガン、英ナットウエストの目標株価を引き上げ—法人融資ブームを好感

Summary
JPモルガンは、英国の法人向け融資の拡大サイクルから最も恩恵を受ける銀行としてナットウエスト・グループを評価し、目標株価を830ペンスに引き上げた。同行の法人部門の強みと、AIデータセンターなどの新たな資金需要が追い風になると指摘している。
JPモルガンは、英国の銀行ナットウエスト・グループ(NatWest Group)について、法人向け融資ブームの恩恵を最も受ける銘柄であるとの見方を示した。同行はナットウエストの投資判断を「オーバーウエート」に据え置き、2027年12月期の目標株価を790ペンスから830ペンスに引き上げた。
法人部門の圧倒的な強み
JPモルガンがナットウエストを高く評価する背景には、同行の法人・機関投資家向け(C&I)部門の収益貢献度の高さがある。同行のレポートによると、2025年においてC&I部門はグループ全体の収益および貸倒引当金計上前の利益の53%を創出しており、これは競合のロイズ(Lloyds)の約30%を大きく上回る。
ナットウエストのC&I部門の融資残高は2026年上半期に年率換算で22%増加し、セクター内で最も力強い成長を遂げた。JPモルガンは、インフラやAI関連の需要がこの成長を支えていると分析。同行は英国の同セグメントにおいて、融資で約20%、預金で約25%の市場シェアを保有していると推定されている。
英国の「リレバレッジ」サイクルが追い風
JPモルガンは、英国の法人向け融資市場が「リレバレッジ(再レバレッジ)サイクルの初期段階」にあると指摘。英国の対GDP比の企業債務は現在59%であり、2008年の金融危機以前の80%と比較して低い水準にある。もしレバレッジがパンデミック前の約70%まで回復すれば、3,000億ポンドの追加的な負債余力が生まれる可能性があると試算している。
AdAIデータセンターという新たな需要
さらに、AI(人工知能)データセンターの拡大も大きな追い風となると見られている。英国政府は2030年までにAI対応データセンターの容量を現在の約2ギガワットから6ギガワット以上に引き上げる目標を掲げている。JPモルガンは、この目標達成には半導体やサプライチェーンを除いても400億ポンド以上の資金調達が必要になると見積もっている。
業績見通しを上方修正
これらの要因を考慮し、JPモルガンはナットウエストの2027年および2028年の1株当たり利益(EPS)予想を1%~2%上方修正した。これは、好調な法人向け融資・預金の動向と、イングランド銀行の金利見通しの安定性を反映したものだ。一方で、銀行追加課税の前提を3%から5%に引き上げ、一部を相殺している。
なお、JPモルガンは他の英国大手銀行についても評価を公表しており、バークレイズ(Barclays)を「オーバーウエート」(目標株価620ペンス)、ロイズ・バンキング・グループ(Lloyds Banking Group)を「ニュートラル」(目標株価123ペンス)としている。