Story
中国インターネット株、AI投資と業績の安定性が焦点に=中信証券

Summary
中信証券の分析によると、2026年下半期の中国インターネットセクターは、AI開発の進展と本業の業績安定性が株価の鍵を握る見通し。株主還元策が株価の下支えとなる一方、AIの商業化が新たなカタリストとして期待されるという。
中信証券は最新の調査レポートで、中国のインターネットセクターにおける投資の焦点が、外部のリスク要因から企業の業績やAI(人工知能)開発の進捗といったファンダメンタルズへと移行していると分析した。2026年下半期の株価動向は、AI関連の展開と本業における業績の確実性が左右するとの見方を示している。
業績は回復基調、バリュエーションは低水準
2026年第2四半期において、中国の主要インターネット企業の合計売上高は前年同期比で5%増と、第1四半期と同水準の安定した成長を維持した。一方、非GAAPベースの純利益合計は同9%減となったが、第1四半期の32%減からは大幅に改善し、収益性の回復傾向が鮮明になった。
レポートが引用したVisible Alphaのコンセンサス予想によると、この回復基調は下半期も継続する見込み。第3四半期および第4四半期の合計売上高はそれぞれ前年同期比8%増、9%増と加速が予想され、非GAAP純利益は同8%増、37%増とさらなる改善が見込まれている。こうした業績見通しに対し、恒生科技指数の予想株価収益率(NTM PE)は9月11日時点で15.2倍と、過去の平均値を1標準偏差下回る水準で推移しており、バリュエーションは依然として低い水準にある。
AI投資はROICを重視、商業化に期待
AI分野では、中国の主要テクノロジー企業が開発する大規模言語モデル(LLM)が急速に進化しており、世界トップレベルのモデルに迫りつつある。各社はAI分野への投資において、投下資本利益率(ROIC)を重視する姿勢を明確にしている。
Ad中信証券は、アリババ経営陣がAI関連の設備投資(Capex)は約3年で回収可能との見通しを示したことや、テンセントが旺盛な計算能力需要に言及したことを指摘。今後のカタリストとして、各社のモデルの高度化、AIエージェントの浸透、応用分野の拡大、そして商業化の具体化に注目すべきだとしている。
投資戦略:業績の確実性と株主還元
今後の投資戦略として、中信証券は2つの側面を重視すべきだと提言している。一つはAI開発の進展と商業化による成長期待、もう一つは本業における業績の確実性と株主還元による株価の安定性だ。
特に株主還元は、株価の「安全域」を提供すると指摘。多くの企業が自社株買いや配当を積極的に実施しており、これが投資家にとっての下値支持線として機能する可能性がある。マクロ経済の減速や米中関係の緊張といったリスク要因は依然として存在するものの、業績の安定性が高い企業や株主還元に積極的な企業が選好されるとみられる。