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ホルムズ海峡の緊張再燃で原油市場が動揺、金融市場は地政学リスクを警戒

Summary
米国とイランによる報復攻撃の応酬でホルムズ海峡の地政学リスクが再び高まり、原油価格は一時的に急騰した。市場は全面戦争への発展を回避するとみているものの、インフレ懸念が強まっている。
米国とイランが今週、ホルムズ海峡を舞台に報復攻撃を繰り返したことで、世界のエネルギー供給の要衝における緊張が再燃した。この事態を受け原油価格は一時的に上昇したが、市場の反応は比較的落ち着いており、投資家が全面的な軍事衝突よりも最終的には交渉が再開されるとみていることを示唆している。
ホルムズ海峡の緊張と原油市場
ロイター通信によると、今週初めに米国がイランの石油に対する制裁免除措置を撤回し、イラン関連施設を攻撃したことが発端となった。これに対しイランは地域の米軍基地に報復攻撃を行い、その後も双方による攻撃の応酬が続いた。
この緊張激化を受け、ブレント原油価格は週半ばに数週間ぶりの高値を付けたが、その後は反落し、現在は1バレル80ドルを大きく下回る水準で推移している。ホルムズ海峡を通過するタンカーの航行は木曜日にほぼ停止状態となり、石油輸出国機構(OPEC)プラスが日量18万8000バレルの増産を決定した矢先に、供給網への懸念が浮上した。
一方で、海峡の通航が回復すれば、湾岸産油国が市場シェアを争う中で供給過剰に陥る可能性も指摘されている。世界的な需要は予想ほど堅調ではなく、サウジアラビアなどがすでに大幅な価格引き下げを余儀なくされている状況だ。
Ad広がるインフレ懸念と市場の動向
地政学リスクの高まりは、インフレ見通しを分析する世界の中央銀行にとって新たな懸念材料となっている。水曜日に公表された6月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、数名の参加者が物価圧力が「より広範になっている」と指摘しており、エネルギー価格以外にもインフレ要因が広がっているとの認識が示された。
こうしたインフレ懸念を背景に、世界的に債券利回りが上昇。日本の長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りは木曜日、約30年ぶりの高水準に達した。しかし、金曜日には財務大臣が年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の国内資産への投資を「大幅に」増やす方針を示したことを受けて、利回りは低下し円高が進行した。
株式市場では、今年前半に急騰した半導体関連株が不安定な値動きとなっている。サムスン電子は第2四半期の営業利益が19倍に急増したと発表したにもかかわらず株価は下落。一方、同業のSKハイニックスが実施した265億ドル規模の米国での株式公募は、需要が募集額を大幅に上回った。来週は米国の6月消費者物価指数(CPI)の発表や、大手銀行の決算発表が本格化するため、市場の関心が集まっている。