Story
RBC、欧州ガス価格見通しを好感しエクイノールを格上げ

Summary
RBCキャピタル・マーケッツは、カタール産LNGの供給障害長期化などを背景とした欧州ガス価格の上昇見通しを理由に、ノルウェーの石油・ガス大手エクイノールの投資判断を引き上げた。
RBCキャピタル・マーケッツは、ノルウェーの石油・ガス大手エクイノール(Equinor ASA)の投資判断を「アンダーパフォーム」から「セクターパフォーム」に引き上げ、目標株価も360ノルウェー・クローネから420ノルウェー・クローネに上方修正した。欧州のガス市場における好ましい価格環境が格付け見直しの主な要因となった。
格付け引き上げの背景
RBCは、格上げの根拠として、予想以上に長期化しているカタール産LNG(液化天然ガス)の供給障害と、欧州におけるガス貯蔵量の逼迫を挙げている。これらの要因により、欧州のガス価格は2026年から2027年にかけて高止まりするとRBCは分析している。
エクイノールは欧州の同業他社の中でも特にガス価格への感応度が高い銘柄の一つとされる。RBCの試算によると、欧州のガス価格が100万英国熱量単位(mmbtu)あたり1ドル変動すると、同社の2027年の営業キャッシュフローが約2%変動するという。
業績見通しと評価
投資判断の引き上げとは対照的に、RBCはエクイノールの1株当たり利益(EPS)予想を下方修正した。これは、RBCが前提とするコモディティ価格全般の見通しを引き下げたためである。
Ad- 2026年EPS予想: 4.75ドルから4.16ドルへ12.4%引き下げ
- 2027年EPS予想: 5.29ドルから4.45ドルへ15.8%引き下げ
この背景には、2026年のブレント原油価格の想定を1バレル89ドルから80ドルへ、同年の欧州ガス価格の想定を1mmbtuあたり15.7ドルから14.2ドルへそれぞれ引き下げたことがある。評価指標を見ると、エクイノールの2026年および2027年のEV/DACF(負債調整後キャッシュフロー倍率)はそれぞれ4.3倍、4.5倍と、同業他社の4.6倍、4.7倍に比べて割安な水準で取引されている。
事業戦略と財務
RBCは、エクイノールの今後の事業展開についても言及している。BPが撤退し、エクイノールが100%の権益を保有することになったベイ・デュ・ノール海洋プロジェクトについては、最終投資決定前に権益の一部を売却(ファームダウン)することが賢明だとの見方を示した。
同社の生産量は2020年代末までに日量220万〜230万石油換算バレルで頭打ちになると予測されている。財務面では、ギアリング比率(負債資本倍率)が年末までに約11%まで低下する見込みで、選択的な企業買収を行うための財務的な柔軟性が確保されるとRBCは指摘している。