Story
アクマン氏のパーシング・スクエア、ネットフリックス株を再取得 2022年の損失確定から一転

Summary
著名投資家ビル・アックマン氏率いるパーシング・スクエアが、ネットフリックス株を新たに取得したことが明らかになった。同社は2022年に同銘柄で多額の損失を確定させており、今回の再投資の背景に関心が集まっている。
著名投資家ビル・アックマン氏が率いるヘッジファンド、パーシング・スクエアが、動画配信大手ネットフリックスの株式を新たに取得したことが最近の提出書類で明らかになった。同ファンドは2022年初頭に一度同社株に投資したものの、短期間で売却し多額の損失を計上しており、今回の再投資は市場の注目を集めている。
2022年の失敗からの再挑戦
提出書類によると、パーシング・スクエアは6月30日時点でネットフリックス株を315万株保有しており、これは同ファンドのポートフォリオの4.9%を占める。同ファンドは2022年初頭に10億ドル以上を投じてネットフリックス株を取得したが、その直後に株価が急落。わずか数カ月でポジションを解消し、4億ドル以上の損失を確定させた経緯がある。
今回の再投資は、アックマン氏が2年前とは異なる、より魅力的な投資機会を見出していることを示唆している。株価が過去1年間で38.4%下落(8月12日時点)する中、同氏が市場が見過ごしている価値の再評価触媒(カタリスト)を認識している可能性がある。
投資判断の根拠と強気材料
アックマン氏の投資スタイルは、市場が一時的に見過ごしている優良企業を割安な価格で取得することに特徴がある。現在のネットフリックスには、この戦略に合致する複数の要因が見られる。
Ad- バリュエーションの魅力: 株価収益率(PER)は過去の実績ベースで22.6倍と、近年の水準では最も低くなっている。
- 収益性の向上: 2026年の営業利益率は31.5%を目標としており、2年前の約25%から着実に改善している。これはコスト削減だけでなく、事業規模の拡大に伴う営業レバレッジが効いていることを示している。
- 広告事業の成長: 広告付きプランからの収益は、2026年までに倍増の30億ドルに達すると予測されている。これは過去には存在しなかった新たな高収益源である。
- 積極的な株主還元: 2026年第2四半期に過去最大となる47億ドルの自社株買いを実施し、なお270億ドルの承認枠が残っている。株価が低迷する中での自社株買いは、一株当たりの価値向上に繋がる。
市場の懸念と今後の展望
一方で、市場には依然として慎重な見方も根強い。売上高の成長率は、過去12カ月の16%から2026年通期では13〜14%へと鈍化する見通しだ。また、テッド・サランドス共同CEOが8月初旬に事前に計画された取引(10b5-1プラン)に基づき株式を売却したことも、投資家心理に影響を与えている。
ディズニーやアマゾンなど、潤沢な資金を持つ競合他社とのコンテンツ投資競争も激化している。アックマン氏の今回の投資が成功するかは、広告事業の収益化や利益率の改善といった内部要因が、成長鈍化や競争激化という外部の懸念を上回り、市場が同社を再評価するかにかかっている。パーシング・スクエアは、現在のネットフリックスを「一時的に誤って評価された勝者」と見なしている可能性が高い。