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エヌビディアの信用リスクが急浮上、循環融資懸念でCDSは過去最高に

Summary
半導体大手エヌビディアのクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)が過去最高水準に急騰。同社が顧客に大規模な融資保証を提供しているとの報道を受け、財務リスクを内包する「循環融資」への懸念が広がり、株価も大幅に下落した。
半導体大手エヌビディアの信用リスクに対する市場の懸念が急速に高まっている。同社がAIインフラ整備のために顧客へ巨額の融資保証を提供しているとの報道をきっかけに、7月27日月曜日、同社の5年物クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)は過去最高の82ベーシスポイントに急騰した。これは2025年11月に同契約の取引が活発化して以来、1日(日中)の上昇幅としては最大となる。
巨額の融資保証報道が引き金に
今回のCDS急騰の引き金となったのは、ブルームバーグによる報道だ。匿名の情報筋を引用した同報道によると、エヌビディアはOpenAIに対し、オハイオ州に計画中のデータセンターのリース容量を確保するための2500億ドルの融資保証や、3500億ドル相当のチップ購入資金の支援など、総額7500億ドル以上にのぼる可能性のあるAIインフラ取引に取り組んでいるという。フィナンシャル・タイムズも別途、エヌビディアが自社製チップを利用するテキサス州のデータセンターに対し、500億ドルのリース契約を自社のバランスシートで支援していると報じた。
これらの報道を受け、エヌビディアの株価は月曜日に4.99%下落して196.51ドルとなり、時価総額が約2500億ドル減少。世界で最も価値ある企業の座をアップルに明け渡した。
「循環融資」への警戒感
市場関係者が警戒しているのは、クレジットアナリストが「循環融資」と呼ぶ仕組みだ。これは、エヌビディアがOpenAIやCoreWeaveといった顧客に出資や債務保証を行い、その資金が自社製半導体の購入に充てられるというもの。この手法は、見かけ上の需要を人為的に膨らませるリスクをはらむ。ブルームバーグによると、エヌビディアが2026年だけで発表した同様の取引は、今回のOpenAIの案件を除いてもすでに5400億ドルを超えている。
AdグローバルX・マネジメントの投資ストラテジスト、ビリー・リョン氏はブルームバーグに対し、「エヌビディアがOpenAIのデータセンター債務の保証を増やすことは、すでに精査されているベンダーファイナンスをさらに深めるものだ」と指摘。これは「需要のシグナルであると同時に、AIインフラ整備における資金繰りの逼迫を示唆している」との見方を示した。
市場の関心はEPSからCDSへ
信用不安はエヌビディア以外にも波及している。S&Pグローバルは最近、オラクルの格付けを投資適格級で最も低い「BBB-」に引き下げ、同社の5年物CDSは215ベーシスポイントに拡大した。また、アルファベットは先週、AI関連の設備投資が響き、IPO以来初めてフリーキャッシュフローがマイナスになったと報告した。
ソシエテ・ジェネラルの米国株式戦略責任者、マニッシュ・カブラ氏は「ハイパースケール・コンピューティング企業にとって、今重要なのはEPS(1株当たり利益)ではなくCDSだ」と述べ、市場の評価尺度が変化していることを示唆した。これまで純粋なAI需要の恩恵を受ける銘柄と見なされてきたエヌビディアに対し、投資家はバランスシートリスクを織り込む必要に迫られている。市場の注目は、8月26日に予定されている第2四半期決算発表で、経営陣が融資保証の規模についてどのような説明を行うかに集まっている。