Story
金価格の急騰は投機主導、ジャクソンホール会議が試金石に=シティ

Summary
シティは最新の顧客向けメモで、最近の金価格の急騰は投機的な資金フローによるもので、今後の持続性はジャクソンホール会議でのウォーシュ議長の発言に左右されるとの見方を示した。
シティは25日付の顧客向けメモで、最近の金価格の上昇は主要な技術的抵抗線を突破したものの、主に投機的な資金フローによって牽引されており、ケビン・ウォーシュFRB議長によるジャクソンホールでの講演を前に脆弱な状態にあると指摘した。
上昇の背景とテクニカル分析
シティによると、今回の価格上昇は、米財務省が長期債の買い入れ増額を発表したことを受けたドル安と金利低下が追い風となった。金価格は6月下旬から7月にかけて1オンスあたり4,000ドル近辺で堅固な底を形成した後、8月に入って反発。100日移動平均線である約4,380ドル前後で値固めをした後、上放れした。
同行は、MACDやDMIといったテクニカル指標は引き続き強気を示唆していると指摘。相対力指数(RSI)は72近辺にあり、買われすぎの領域に近づいているものの、まだ極端な水準ではないとの見方を示した。これは、CFTC(米商品先物取引委員会)のデータで、投機筋のネットロング(買い越し)が年初来の高値に近い一方、2024年〜25年のピークは下回っていることとも整合性が取れるとしている。
投機主導の色彩と実需の低迷
シティは「最近の上昇は、これまでのところ主に先物への資金流入といった投機的なフローによって動かされてきた」と分析。上昇の持続には実物需要が追いつく必要があるとの見解を示した。価格上昇の大部分が米国取引時間中にもたらされた一方で、アジアや欧州の取引時間では横ばいか下落していたことをその根拠として挙げている。
Ad具体的には、中国の個人投資家による需要は依然として弱く、トレンドを追うよりもレンジ取引に徹しているという。また、インドのプレミアム(国際価格に対する上乗せ金)もマイナス圏で推移していると報告されている。
ジャクソンホール会議が最大の焦点
今後の最大の注目点は、ジャクソンホール会議でのウォーシュ議長の発言であり、シティはこれを「二者択一のリスク」と位置づけている。議長がタカ派的な発言をすれば、金の上昇は一旦停止する可能性が高いとみている。その場合、同行は4,000ドル台前半への下落を押し目買いの好機と捉える方針だ。
一方で、市場の予想に反してハト派的な発言が飛び出した場合は、金にとって「非常に強気」な材料となると予想している。市場参加者は、金融政策の方向性を見極める上で、議長の発言を固唾をのんで見守っている。