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中東情勢緊迫で原油100ドル突破、それでも価格が急騰しない理由

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Sep 9, 20261 min read
中東情勢緊迫で原油100ドル突破、それでも価格が急騰しない理由

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国際的な原油指標であるブレント原油が中東の紛争激化を背景に1バレル100ドルを突破した。しかし、代替供給ルートの確保や非OPEC諸国の増産、中国の需要減退などが重しとなり、価格の上昇は抑制されている。

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国際的な原油指標であるブレント原油は9日、中東における紛争激化への懸念から、7月下旬以来初めて1バレル100ドルの大台を回復した。しかし、供給途絶リスクが高まる中でも価格の上昇は比較的緩やかであり、その背景には複数の需給要因が複雑に絡み合っている。

供給サイドの抑制要因

中東からの供給は完全に停止したわけではない。世界最大の独立系石油トレーダーであるVitol社のラッセル・ハーディCEOがシンガポールでの会議で語ったところによると、最近の中東からの原油・石油製品の輸出量は日量約1000万バレルとなっている。これは紛争前の日量約2000万バレルからは大幅に減少しているものの、一定量の供給が続いていることを示している。

さらに、湾岸産油国はホルムズ海峡を迂回する代替ルートを活用している。サウジアラビアは紅海沿岸のヤンブ港からの輸出がフーシ派による封鎖で圧迫されている一方、湾岸内のラス・タヌラ港からの出荷を再開した。また、エジプトのシディ・ケリル港からの輸出量も増加しており、供給不安を部分的に和らげている。

非OPEC諸国による増産も価格上昇を抑える一因となっている。調査会社ライスタッド・エナジーによると、米国、カナダ、ガイアナなどを中心に、今年の非OPEC諸国の生産量は合計で日量140万バレル増加する見通しだ。ロシアからの原油輸出も、国内製油所の稼働率低下を背景に高水準で推移している。

中国の需要減速が重しに

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需要サイドでは、特に世界最大の原油輸入国である中国の景気減速が大きな影響を及ぼしている。ライスタッド・エナジーは、第3四半期における石油化学製品および輸送用燃料の「需要破壊(デマンド・デストラクション)」が日量350万バレルに達すると指摘。その半分以上を、電気自動車(EV)への移行や石炭由来の化学製品利用が進む中国が占めているという。

中国の海上輸送による原油輸入量は、2月の日量1100万バレル超から7〜8月には日量700万バレルまで減少した。中国石油化工(シノペック)の調査部門は、中国の石油需要が2026年に3年連続で減少するとの予測を示している。また、Kpler社が11億7000万バレルと推定する中国の潤沢な戦略備蓄も、市場の安心材料となっている。

現物市場の逼迫と専門家の見方

一方で、先物市場とは対照的に、現物市場は逼迫感を示している。ドバイ原油やオマーン原油のスポットプレミアムは急騰しており、アーガス社のチーフエコノミスト、デビッド・ファイフ氏は「物理的には信じられないほどタイトな状況だ」と指摘。特にディーゼル市場は「不足を叫んでいる」状態にあると分析する。

こうした状況を受け、複数の金融機関は原油価格見通しを引き上げている。モルガン・スタンレーは第4四半期のブレント平均価格を100ドルと予測。ゴールドマン・サックスも、中東の輸送混乱が来年まで続くと見て、2026年12月と2027年のブレント原油価格予測をそれぞれ85ドルと80ドルに引き上げた。

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