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日米協調介入、米国の「弾薬」は385億ドル規模か=JPモルガン試算

JPモルガンのストラテジストらは、米国が日本との協調的な為替介入で動員できる流動性資産は限定的であるとの分析を示した。同行のレポートによると、米財務省が即座に利用できる資金は、日本の近年の介入規模に及ばない可能性があるという。
米財務省の介入余力
JPモルガンの田中順也氏らがまとめたレポートによると、米財務省の為替安定化基金(ESF)が保有する流動性の高い資産は6月時点で以下の通り。
- ユーロ建て資産:約130億ユーロ
- 米ドル建て資産:255億ドル
これらを合計すると約385億ドル(約6兆円)規模となる。これは、日本政府・日銀が2022年に行った円買い介入(1回のオペレーションで350億~600億ドル規模)と比較すると小規模であり、協調介入の効果を疑問視する声につながる可能性がある。
強まる協調姿勢と市場の観測
Adこの分析は、日米両政府が円相場を巡り連携を強めている中で発表された。イエレン米財務長官は、円の「無秩序な」変動に対応するため日本を支援する用意があると表明しており、市場では円安が再び進行した場合の協調介入への期待が高まっている。
しかしJPモルガンは、過去の米国の介入規模は通常10億ドルから25億ドル程度と、現在の保有資産額を大きく下回る水準だったと指摘。大規模な介入は米当局にとって異例であることを示唆した。
潜在的な介入能力と限界
一方で、レポートは米財務省が国際通貨基金(IMF)の特別引出権(SDR)の活用など非伝統的な手段を用いれば、介入資金を理論上最大1,870億ドルまで拡大できる可能性にも言及した。さらに米連邦準備制度理事会(FRB)が参加すれば、その規模は事実上倍増しうるという。
ただし、ストラテジストらは「ESFの資金は有限であり、新たな資金調達には議会の承認が必要になる可能性があるため、米財務省の介入能力は無制限ではない」と結論付けている。全体として、米国の従来より協力的な姿勢はドル円相場が164円を突破するリスクを低下させるとしながらも、日米両国とも大幅な円高を望んでいるわけではないため、協調介入が円を150円以下へ持続的に押し上げる可能性は低いとの見方を示した。