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米自動車業界、中国製部品の排除を急ぐ-政府の新規制でサプライチェーン再編

Summary
米政府が国家安全保障を理由に導入した新規制を受け、米国の自動車メーカーは中国製のコネクテッドカー関連部品の排除を急いでいる。これによりサプライチェーンの再編が加速しているが、コスト増や技術的な課題も浮き彫りになっている。
米国の自動車業界では、政府が国家安全保障上の懸念を理由に導入した新規制に対応するため、中国製のコネクテッドカー関連ハードウェアをサプライチェーンから排除する動きが加速している。この規制は米国内のサプライヤーに新たな事業機会をもたらす一方、自動車メーカーにとってはコスト増や物流面での大きな課題となっている。
サプライチェーン再編を迫る新規制
2025年1月にバイデン政権下で導入され、現政権でも維持されているこの規制は、国家安全保障とデータプライバシーを保護することを目的としている。具体的には、2027年モデル以降の車両で中国製のコネクティビティ関連ソフトウェアの使用を禁止し、2030年モデル以降はハードウェアも対象となる。
これらの期限は数年先に見えるが、自動車メーカーは車両プログラムを数年前に計画するため、規制に準拠したサプライヤーの確保が急務となっている。ロイター通信によると、中国の吉利控股集団(Geely Holding)傘下にある電気自動車(EV)メーカーのポールスターが先月、この規制に基づき米国での新車販売を禁止されたことで、業界の懸念は一層高まった。
コスト増と代替サプライヤーの課題
中国からの部品供給を切り替える動きは、大幅なコスト増につながるのが一般的だ。あるデトロイトの元幹部は、中国製技術を使った自動運転システムとそうでないものを比較した際、「価格の上昇に顎が外れるほど驚いた」と語っている。
Adこの需要に応えるべく、2025年後半に設立された米国の電子機器メーカー、イーグル・ワイヤレス社などは生産拡大を急いでいる。同社は、中国製モジュールとの価格差がまだ5%から15%あるとしながらも、今年の売上高見通しを当初のほぼ2倍となる約1億ドルに引き上げている。しかし、同社でさえも、現在は中国の業界最大手であるQuectel Wireless Solutionsから技術ライセンスを受けており、2030年の期限までに自社技術を確立するという課題を抱えている。
自動車各社の対応と地政学リスク
この規制への対応は、自動車メーカーによって様々だ。リビアンのようなEV新興企業は、サプライヤーの切り替えが比較的容易であるため、既存の大手メーカーより有利な立場にあると主張している。一方、フォード・モーターは一部の中国生産モデルの輸入継続を求める適用除外を申請しており、吉利傘下のボルボ・カーズは最初に承認を得たメーカーの一つとなったと報じられている。
この動きは、バッテリー材料やレアアース(希土類)に至るまで、自動車業界全体で進む中国からの「デカップリング(切り離し)」の一環と見なされている。専門家は、フォードが中国のCATLからバッテリー技術のライセンス供与を受ける事例を挙げ、短期的には中国への依存を深める可能性があるものの、長期的には米国の専門知識を構築する唯一の方法かもしれないと指摘している。