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米イラン紛争で原油タンカー受注が記録的水準に、海上輸送ルート再編が拍車

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Sep 17, 20261 min read
米イラン紛争で原油タンカー受注が記録的水準に、海上輸送ルート再編が拍車
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米国とイランの紛争を背景に、世界の原油輸送ルートが再編される中、超大型原油タンカー(VLCC)の受注が過去25年間で最大規模に達しています。今年の受注数はすでに2025年通年実績の2倍を超え、総額は200億ドル以上に上ります。

地政学リスクが海上輸送ルートを再編

今回の受注急増の主な要因は、米イラン間の紛争により、世界の石油・液化天然ガスの約5分の1が通過するホルムズ海峡が事実上閉鎖されたことにあります。これにより、アジアや欧州の製油所は中東産原油の代替供給源を求めざるを得なくなりました。

結果として、米国からの原油輸出が過去最高を記録したほか、ブラジル、ガイアナ、アルゼンチンといった南米諸国からの供給も増加しています。海運分析会社Veson Nauticalのシニアアナリスト、レベッカ・ガラノプロス氏は、「大西洋からアジアへの長距離輸送の増加に賭ける船主が、VLCC発注需要を再燃させる大きな要因になっている」と指摘します。

さらに、ホルムズ海峡を通過するリスクを嫌う船主が増えたため、ペルシャ湾内で産出された原油を湾外のオマーン湾まで小型タンカーで運び、そこでVLCCに積み替える「シャトル輸送」の需要も高まっています。タンカー大手フロントライン社のラース・バースタッドCEOは、サウジアラビアのパイプラインが損傷したことで、「少なくとも一時的に、サウジはこのビジネスにさらに大きく関与する必要がある」との見方を示しました。

記録的な発注と市場への影響

データは、この発注ブームの規模を明確に示しています。各社の集計によると、今年これまでのVLCC受注隻数は以下の通りです。

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  • Signal Group: 217隻(2025年通年は93隻)
  • Allied Shipbroking: 164隻(2025年通年は83隻)

1隻あたり約200万バレルの原油を輸送するVLCCの需要増は、運賃にも劇的な影響を与えています。Allied Shipbrokingによると、VLCCのスポット用船料は、紛争前の2月には1日あたり約13万2000ドルでしたが、最近では50万ドルを超える記録的な高値を付けています。需要が非常に高いため、証券会社Pareto Securitiesは、現在では船齢10年の中古タンカーを購入する方が、新造船を発注するよりも高価になっていると試算しています。

船齢と長期的な需要の見通し

今回の発注ラッシュは、地政学的な要因だけではありません。Veson Nauticalによると、世界のVLCC船団の約20%が船齢20年を超えており、長年の過剰供給と市況低迷を経て、船団の更新が急務となっています。

1隻あたり約1億3000万ドルとされる新造船の契約には、2029年や2030年の引き渡し分も含まれており、船主が中期的に需要が続くと確信していることを示唆しています。一方で、データ情報会社Kplerによると、退役時期を迎えた古いVLCCは解体されず、ロシアやイラン、ベネズエラなど制裁対象国の石油を輸送する、いわゆる「影の船団」に流れていることも指摘されています。

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