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スペースX株、1230億ドル規模のロックアップ解除リスクが迫る中で投資家が知るべきこと

6月11日に上場した宇宙開発企業スペースX(SPCX)の株価は、IPO価格の135ドルを10%以上下回る121.30ドルで取引されており、苦戦が続いている。投資家にとって最大の懸念材料は、8月上旬に到来する大規模なロックアップ期間の満了であり、市場に大きな売り圧力がかかる可能性が指摘されている。
8月上旬に1230億ドル規模の売り圧力が顕在化か
スペースXのIPO契約に基づき、同社初の四半期決算報告後の第2営業日に、ロックアップ期間が満了を迎える。これにより、従業員や初期投資家が保有する9億1150万株(現在の株価で約1230億ドル相当)の売却が解禁される。
株価が10営業日中5営業日で175.50ドルを上回った場合に解除される第2段階のロックアップ(4億5580万株)も存在するが、現在の株価水準(121ドル台)では、この条件が満たされる可能性は極めて低い。IPO価格をすでに下回っている銘柄に対して、1230億ドルという潜在的な売り圧力がかかるリスクは、投資家にとって無視できない要因となる。
高水準のバリュエーションとIPO後の株価低迷
スペースXの株価は、上場からわずか6週間でIPO価格(135ドル)を10.2%下回り、史上最高値の225.64ドルからは46%以上も下落している。現在の時価総額は1.6兆ドルに達するが、InvestingProのデータによれば、株価は予想売上高の49倍という高水準で取引されており、過去12ヶ月ベースではまだ利益を上げていない。
AdReutersが2010年以降の米国の大型IPO50件を分析した調査によると、上場後2ヶ月でIPO価格を下回った銘柄のその後の株価上昇率(中央値)は61%だったのに対し、価格を維持した銘柄は112%だった。これは、ロックアップ解除後の混乱が収まれば、割安なエントリーポイントとなり得る可能性を示唆している。
長期的な成長期待と短期的な材料
ウェルズ・ファーゴは、スペースXの投資判断を「オーバーウエート」、目標株価を230ドルとしてカバレッジを開始した。これは現在の水準から90%の上昇余地を示唆する。同行は、スターシップの再利用性が2031年までに4,600回の打ち上げを可能にし、軌道上コンピューティングが地上と同等のユニットエコノミクスを達成するという長期的な見通しを評価している。
一方で、短期的な注目材料としては、7月24日に予定されているスターシップの13回目の試験飛行がある。打ち上げが成功すれば短期的な反発要因となる可能性はあるが、ロックアップ解除という構造的な売り圧力の存在を考えると、決算発表前のいかなる上昇も、買い手ではなく売り手にとっての好機となる可能性がある。