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SHEINの香港IPO、評価額に逆風 欧州のEC規制強化が響く

Summary
香港でのIPOを目指すファストファッション大手SHEINが、目標評価額の達成に苦戦している。欧州連合(EU)が導入した新たな輸入手数料が成長見通しに影を落とし、投資家が慎重な姿勢を強めているためだ。
香港での新規株式公開(IPO)を目指す中国発のファストファッション大手SHEINが、最大500億ドルとする目標評価額の達成に苦戦している。欧州連合(EU)による電子商取引(EC)への規制強化が売上成長と収益性を圧迫するとの懸念から、投資家の間で慎重な見方が広がっている。
評価額に逆風、欧州の新関税が重荷に
ロイター通信が報じたところによると、SHEINは香港IPOで400億~500億ドルの企業価値評価を目指している。しかし、これは2022年の資金調達ラウンドで報じられた100億ドルという評価額を大幅に下回る水準だ。
事情に詳しい関係者によれば、同社は2023年に400億ドルを超える売上高と約20億ドルの純利益を計上した。しかし、今月からEUが導入した低価格輸入品に対する3ユーロの手数料が、今年の成長の足かせとなる可能性が高い。調査会社ユーロモニターによると、欧州はSHEINの売上高の3分の1を占める主要市場であり、この新措置の影響は軽視できない。
投資家は慎重姿勢、競争激化も懸念
投資家の間では、目標評価額に対する懐疑的な声が上がっている。香港の資産運用会社セントラル・アセット・インベストメンツの最高投資責任者(CIO)であるエディー・タム氏は、「400億ドルという評価額はまだ少し割高に感じる。300億ドルに近ければ、より魅力的かもしれない」と指摘する。
Adタム氏はその理由として、同社がすでに「下降局面」にあることや、国内外でのEC市場の競争が極めて激しいことを挙げた。SHEINは今月末までに目論見書を公開し、9月の上場を目指していると報じられている。
新料金の影響と市場の反応
EUの新規則では、これまで免税だった150ユーロ未満のEC輸入品に対し、税関コードごとに3ユーロの手数料が課される。これにより、例えば5つの異なる商品を含む小包には15ユーロの関税が課される可能性がある。
この変更は、SHEINの強みである低価格戦略に直接的な打撃を与える。あるECアナリストは「3ユーロのTシャツを買うのに慣れていた顧客にとって、価格が2倍になるのは大きな変化だ」と分析する。Googleの広告主データに基づく分析によると、SHEINと競合のTemuは、価格上昇に対する消費者の反応を見極めるため、欧州での広告費を削減している。これは、米中間の政治的緊張の高まりとともに、中国発ECプラットフォームを取り巻く事業環境が、Temuの親会社PDDホールディングスが米国で上場した2018年当時から大きく変化したことを示している。