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世界の債券利回り、再び上昇圧力ー米金利が数十年ぶりの高水準に迫る

世界の債券市場では利回り上昇圧力が再燃し、2週連続で価格が下落(利回りは上昇)した。米国の財政赤字拡大、中央銀行のタカ派的な政策姿勢、地政学リスクを背景としたエネルギー価格の高止まりといった複数の要因が、投資家の深い懸念を招いている。
米国債利回り、高水準に回帰
米国市場では、スコット・ベッセント米財務長官による利回り上昇を牽制する発言や、国債買い戻しオペの拡充策も市場の売り圧力を抑えるには至らなかった。市場関係者は、これらの措置が構造的な需給の不均衡やインフレ圧力を根本的に解消するものではないと懐疑的な見方を強めている。
この結果、米国の主要な国債利回りは再び数十年ぶりの高水準に接近した。
- 米10年債利回りは4.70%近辺まで上昇。
- 米30年債利回りは5.25%付近で推移し、週初につけた19年ぶりの高値である5.337%を窺う展開となっている。
連邦政府の継続的な大規模な国債発行に加え、AIインフラ投資を目的としたハイテク企業の社債発行も市場の需給を圧迫している。また、米国の政府総債務が史上初めて40兆ドルの大台を突破したことも、投資家の間で債務の持続可能性に対する懸念を増幅させ、国債保有に対するより高いリスクプレミアム(タームプレミアム)を要求する動きにつながっている。
欧州でも金利上昇が続く
Ad欧州の債券市場も米国と同様に売りが優勢となり、利回りは軒並み上昇した。域内の根強いインフレや国債の大量供給が重しとなり、各国の借入コストは数年来の高水準に達している。
- ドイツ10年物国債(Bund)利回りは3.254%まで上昇し、2011年5月以来の高値圏で推移。
- フランス10年物国債(OAT)利回りも、国債入札が続いたことを受けて4.10%近辺まで上昇した。
市場では、欧州中央銀行(ECB)が9月に追加利上げに踏み切るとの観測が強まっており、短期金利の上昇が長期金利の上昇を上回る「ベア・フラットニング」の様相を呈している。
市場の焦点はジャクソンホール会議へ
世界的な金利上昇の背景には、中東の地政学的緊張によるエネルギー価格の高止まりがある。ブレント原油先物価格が1バレル93ドル近辺で推移する中、インフレ懸念は根強い。財政支出の拡大とインフレ圧力が交錯する中、世界の債券市場参加者は守りの姿勢を強めている。市場の次の焦点は、世界の中央銀行総裁らが集うジャクソンホール会議に移っており、今後の金融政策の方向性に関する何らかの示唆が得られるかどうかが注目される。