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ドル、2ヶ月連続で下落 米国債買い入れ拡大が政策懸念を誘発

ブルームバーグ・ドル・スポット指数が8月に0.9%下落し、7月の1.3%安に続き2ヶ月連続で軟調な展開となった。米財務省が国債の買い入れを加速させる計画を発表したことで、海外投資家の間で米国の政策の方向性に対する新たな懸念が浮上し、ドル相場の重しとなっている。
財務省の国債買い入れ拡大が重しに
今月のドル安の主な要因の一つは、ベセント米財務長官が打ち出した積極的な債務管理政策にある。長官は今月初め、政府の国債買い入れ規模を拡大する計画を表明し、1回のオペレーション規模が40億ドルを超える可能性を示唆した。この動きは、米政府が長期的な資金調達コストを抑制し、ひいてはドル安を志向しているのではないかとの市場の憶測を再燃させた。
この発表を受け、ヘッジファンドなどの投機筋はドルへの強気な賭けを縮小している。マクロストラテジストのタチアナ・ダリー氏は、ベセント長官の市場への積極的な介入姿勢が「ドルに新たな政策リスクをもたらしている」と指摘する。
FRBのタカ派姿勢との綱引き
一方で、米連邦準備理事会(FRB)のウォルシュ議長は、インフレ率を2%の目標に戻すというコミットメントを改めて強調し、タカ派的な姿勢を鮮明にしている。通常、利上げ期待の高まりはドルにとって支援材料となる。
Ad市場では、FRBが9月の会合で利上げに踏み切る確率が50%を超えて織り込まれている。しかし、ウェルズ・ファーゴのストラテジスト、エリック・ネルソン氏のように、市場の利上げ織り込みは過度であると見る向きもある。同氏は、FRBが市場の期待通りの利上げを実施できなかった場合、米国債利回りとドルは9月にさらに下落する可能性があると予想している。
市場の焦点は今後の経済指標へ
現在のドル相場は、FRBの金融引き締め姿勢という支援材料と、財務省の動きに起因するドル安圧力という相反する要因の綱引き状態にある。この政策の方向性の違いは、為替市場を米国の経済指標に対してより敏感にさせている。
市場参加者は今週金曜日に発表される最新の米雇用統計に注目しており、労働市場の状況を見極めようとしている。バンク・オブ・アメリカの外国為替ストラテジスト、アレックス・コーエン氏は、8月の経済データが「極めて重要」になると指摘。弱い結果となればFRBは金利を据え置く可能性がある一方、予想を上回る強い結果は追加利上げの選択肢を再び急浮上させるだろうとの見方を示した。