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欧州ガス価格は割高か、ホルムズ海峡と冬季リスクを過剰織り込みとの見方

シティグループの分析によると、欧州の天然ガス価格は、ホルムズ海峡の通航再開時期や今冬の天候といった不確実性を過剰に織り込んでいる可能性があり、現在の市場価格は割高な水準にあると指摘されている。市場は供給途絶や悪天候のリスクに対し、大きなプレミアムを支払っていることが示唆される。
市場価格とシティの分析に乖離
シティの分析では、この冬の確率加重平均価格を1メガワット時(MWh)あたり約61ユーロと試算している。これに対し、同行の分析時点での市場価格は、オランダのガス先物指標(TTF)の2026年10月限が72.90ユーロ/MWh、11月-3月物のストリップ価格が70.90ユーロ/MWhとなっており、大きな乖離が見られる。
この価格差は、市場が供給に関する不確実性に対して相当なリスクプレミアムを上乗せしていることを意味する。特に欧州では冬を前にガス貯蔵レベルが低水準にあり、液化天然ガス(LNG)の供給が少しでも滞れば価格が大きく変動しやすい状況にある。
不確実性が投資家を誘引
価格を高止まりさせている主な要因は、ホルムズ海峡の正常な通航がいつ再開されるか、そして今冬がどれほど寒くなるかという2つの大きな不確実性だ。この状況は、従来のエネルギー市場の参加者だけでなく、インフレへの影響を懸念する投資ファンドなど、新たな投資家層も引きつけているとシティは指摘する。
Adシティによると、特にロシア・ウクライナ戦争の初期ショック以降、投資ファンドが欧州ガス価格の主要な牽引役となっている。そのため、供給懸念が後退した場合には、2018年後半の原油価格の急落のように、市場が急速に反転する脆弱性をはらんでいる。
シティの価格見通し
こうした分析に基づき、シティはガス価格の見通しを修正した。
- 2026年第3四半期: 60ユーロ/MWh
- 2026年第4四半期: 56ユーロ/MWh
- 2027年通年: 41ユーロ/MWh
シティは、最悪のシナリオでは価格がさらに大幅に上昇する可能性も認めつつ、現在の価格にはそうしたリスクがすでに十分に織り込まれているかどうかが重要な論点だとの見解を示している。