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カンパリ、アペロール模倣品に対抗 スプリッツ市場の競争激化で

Summary
イタリアの酒造大手カンパリは、急成長するスプリッツ市場で主力ブランド「アペロール」の模倣品や競合製品が急増していることを受け、ブランド保護の取り組みを強化している。同社はプロモーションや樽製品の展開で対抗する。
イタリアの酒造大手カンパリは、近年の成長を牽引してきた主力ブランド「アペロール」を保護するため、対策を強化している。世界的にスプリッツ(食前酒カクテル)市場が急拡大する中、安価な模倣品や競合する食前酒が市場シェアを狙っており、競争が激化している。
模倣品と競合の脅威
アペロールはカンパリにとって最大の収益源であり、売上高の約26%を占める。しかし、その成功は多くの競合を引き寄せている。ロイター通信によると、特に競争の激しいイタリアでは、2023年頃から一部のバーやレストランでアペロールではないオレンジ色のドリンクがタップから提供されるケースが増えているという。カンパリのアペリティーヴォ部門マネージング・ディレクター、アンドレア・ネリ氏は、消費者がそれを本物のアペロールだと誤認することが多いと指摘している。
脅威はバーだけでなく、スーパーマーケットにも及んでいる。アペロールに酷似した外観のオレンジ色のリキュールが、30~40%安い価格で販売されている。さらに、エルダーフラワーリキュールを使った「ヒューゴ・スプリッツ」など、代替となるカクテルも米国や英国で人気を集めており、バカルディ社の「サンジェルマン」は二桁成長を記録している。
ブランド防衛への多角的な対策
カンパリはブランド価値を守るため、多角的な戦略で対抗している。主な取り組みは以下の通り。
Ad- プロモーション活動: 本国イタリアで、信頼できる小売業者を対象としたロイヤルティプログラムや販促キャンペーンを開始。
- 樽製品の展開: 事前に調合された「アペロール・スプリッツ」の樽製品の提供を拡大し、品質の均一性を保ち、模倣品が入り込む隙を減らす。
- 法的措置: ブランドの象徴であるオレンジ色を商標登録するなど知的財産の保護に努めるほか、小規模な競合他社に対しては訴訟も辞さない構え。
昨年、カンパリは広告宣伝費として約5億4700万ユーロ(売上高の17.9%に相当)を投じている。ネリ氏は、模倣品の影響で「(イタリアでの)成長はさらに速かった可能性がある」と述べている。
市場の成長と今後の見通し
調査会社IWSRのデータによると、世界のスプリッツ市場は2019年の約25億杯未満から2024年には約40億杯近くまで拡大した。アペロール自体の売上も昨年1.4%増の7億8500万ユーロと成長を続けており、市場のトレンドを牽引している。
アナリストは、カンパリのブランド力は依然として強いと見ている。アルファバリューのアナリスト、テオドール・デュバル=セガール氏はロイターに対し、「現時点で模倣品が脅威になるとは考えていない。『アペロール』と『スプリッツ』はほぼ不可分だ」と語った。カンパリ自身も、低アルコール飲料への消費者シフトを捉え、ピンク色の「サルティ・ローザ」など、新たなスプリッツ製品でポートフォリオを拡充している。