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米バイオ業界、FDAに科学的根拠に基づく審査を要求 ― 政治介入への懸念高まる

米国のバイオテクノロジー専門家や業界幹部は、食品医薬品局(FDA)が直面している混乱に対し、医薬品の審査プロセスにおいて政治的介入を排除し、科学的判断を優先するよう強く求めている。ロイター通信によると、FDAは人員削減からの再建を目指し、数千人規模の職員採用や臨床試験基準の更新計画を発表しているが、業界は規制の透明性と予測可能性の確保を最重要視している。
FDAの混乱と業界の懸念
トランプ政権下で厚生長官を務めるロバート・F・ケネディJr.氏の指揮のもと、FDAは人員削減や退職により3,000人以上の職員を失った。これには主要部門の責任者も含まれる。バイオテクノロジーイノベーション協会(BIO)のジョン・クロウリーCEOは、この状況をトランプ政EMの「DOGE(政府効率化省)による破壊」と表現している。
ベンチャーキャピタルを支援するインキュベート・コアリションの政策ディレクター、ジョン・ガイ氏は、「規制の予測可能性こそが、有望な科学が患者に届く前に頓挫するのを防ぐ究極の要因だ」と指摘。FDAの現在の優先事項は、永続的な科学的専門知識を再構築することであるべきだと述べた。
政治介入への批判
近年、FDAの医薬品やワクチンに関する重要な決定が、当時のマーティ・マカリー長官やその側近によって下されるなど、組織が過度に政治化しているとの批判が元職員らから上がっている。マカリー氏は5月に辞任し、生物製剤部門の責任者であったビナイ・プラサド氏も4月に職を去った。FDAの主要な医薬品審査部門は、2025年1月以降、6人の異なる責任者を迎えており、現在も暫定的な責任者が率いている。
Ad元FDA長官のスコット・ゴットリーブ氏は、先月医学雑誌JAMAに寄稿した論説で、マカリー氏とプラサド氏の退任は「政治権力と科学的判断の境界線がどこにあるのか」を再考する機会だと指摘。FDAの医療製品センターは経験豊富な科学的・臨床的専門家によって率いられるべきだという「包括的な基準」の復活を訴えた。政治介入の具体例として、プラサド氏が当初モデルナのmRNAインフルエンザワクチンの審査を拒否した件や、マカリー氏がハンチントン病治療薬(ユニ・キュア社の遺伝子治療薬とみられる)の申請を公に批判した件などが挙げられている。
再建への動きと市場の視点
こうした状況を受け、FDAは6月上旬以降、2,200人の欠員補充、臨床試験期間の短縮、細胞・遺伝子治療の開発促進などを計画している。これらの政策変更は、臨床試験の量で米国を上回る中国など、世界的な競争激化も背景にある。FDAは医薬品の安全性と有効性を評価する世界的な基準と見なされてきたが、ガイ氏は「承認ペースは維持されているものの、投資家は動向を注意深く見守っている」と語る。
匿名の情報筋2名によると、トランプ大統領が指名する次期FDA長官候補として3名が検討されており、最終決定が待たれているという。法律事務所ホーガン・ロヴェルズの弁護士で元FDA長官首席補佐官のエリザベス・ヤングマン氏は、FDA指導部と医薬品審査の間の伝統的な壁に「穴が開いた」と述べ、科学スタッフの役割が完全に回復されるかどうかはまだ不透明だと指摘した。