Story
バークレイズ、アエナを格上げ、フラポートは格下げ-規制の明確化と交通量の懸念を反映

Summary
バークレイズは、規制の不確実性が低下したスペインのアエナを「オーバーウエート」に格上げする一方、交通量の低迷が懸念されるドイツのフラポートを「イコールウエート」に格下げした。
バークレイズは21日、欧州の主要空港運営会社に対する投資判断を更新し、スペインのアエナ(Aena)を格上げする一方で、ドイツのフラポート(Fraport)を格下げした。アエナについては規制環境の明確化が、フラポートについては旅客交通量の動向とルフトハンザとの関係が、それぞれ評価の分かれ目となった。
アエナを格上げ、規制の明確化を評価
バークレイズはアエナの投資判断を「イコールウエート」から「オーバーウエート」に引き上げ、目標株価も24.50ユーロから28.50ユーロに上方修正した。格上げの主な要因は、DORA III規制レビューが最終段階に近づき、これまで見通しを制約してきた不確実性が後退したことだという。
同行のアナリストは、スペインの国家市場・競争委員会(CNMC)の見解が規制上の成果に「信頼できる下限」を提供し、著しく不利な条件で決着するリスクを低減させたと指摘。これにより、5年間の規制期間がもたらす収益の可視性と、アエナの質の高い事業運営に焦点を当てることが可能になったとしている。好調な交通量と供給容量のデータを受け、旅客数予測も引き上げた。
フラポートは格下げ、ルフトハンザ関連の課題が重荷に
対照的に、フラポートの投資判断は「オーバーウエート」から「イコールウエート」に引き下げられ、目標株価は96ユーロから71ユーロへと大幅に切り下げられた。短期的な交通量の弱さに加え、主要顧客であるルフトハンザに関連する中期的な課題が格下げの背景にある。
バークレイズは以下の点を懸念材料として挙げている。
Ad- フランクフルト空港の交通量と供給容量の低迷
- ターミナル3の建設による航空関連コストの増加
- 旅客数の伸び悩みによるリテール事業の収益拡大の限定化
- 地上ハンドリング事業の赤字継続と、ルフトハンザとの新契約交渉の難航
同行は、フラポートの2026年グループEBITDA予測を3%引き下げ14.5億ユーロとし、会社ガイダンス(最大15億ユーロ)を下回る水準とした。また、2026年および2027年のフランクフルト空港の旅客数予測も、回復ペースの鈍化を反映して下方修正した。
地政学的リスクと他社への見方
バークレイズは、中東情勢の混乱が再燃していることも、アエナを選好する理由の一つだとしている。アエナは中東への直接的なエクスポージャーが限定的であり、レジャー需要が西地中海地域にシフトすることでスペインが恩恵を受ける可能性がある。一方、ハブ空港モデルであるフランクフルト空港を運営するフラポートは、湾岸地域からの交通量やアンタルヤ空港(トルコ)事業を通じて、より大きな影響を受ける可能性があると分析している。
その他の空港運営会社については、以下の判断が維持された。
- ADP(パリ空港公団): 「オーバーウエート」を維持。目標株価は135ユーロから140ユーロへ引き上げ。
- アテネ国際空港: 「イコールウエート」を維持。目標株価は10.30ユーロから10.35ユーロへ微調整。
- チューリッヒ空港: 「イコールウエート」を維持。目標株価は241スイスフランで据え置き。