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米国金利上昇、アジア株に過小評価されたリスク=バーンスタイン

投資会社バーンスタインは、米国債利回りの上昇がアジアの株式市場に与える脅威は、現在の株価収益率(PER)が示唆するよりも大きい可能性があると警告した。米国10年国債利回りが5%に近づく中、投資家はさらなるバリュエーション圧縮のリスクを過小評価している可能性があると指摘している。
バリュエーションに潜む脆弱性
2022年以降、米国の名目・実質金利の上昇はアジア株のバリュエーションを大きく圧迫してきた。バーンスタインによると、過去に米10年債利回りが5%を超えた2000年や2007年前後の局面では、株価のマルチプル(投資評価尺度)が急激に低下した経緯がある。
一見すると、好調な企業業績が予想を引き上げたことで、予想PERベースではアジア株に割高感はない。しかし、バーンスタインはいくつかの脆弱性が隠されていると分析する。
- 株価純資産倍率(PBR): 韓国と台湾では過去最高水準にあり、日本とオーストラリアでも2021年のピークを上回っている。
- 株式リスクプレミアム: 株式益利回りと債券利回りの差(債券対比で株式投資に求められる上乗せリターン)は、日本、韓国、台湾、オーストラリアで過去最低水準に近づいている。
- 業績期待: 韓国、台湾、日本、タイでは業績期待が過去最高水準に達しており、借入コストが上昇する中で業績成長がピークアウトするリスクがある。
AIブームとハイテク株のリスク
Ad人工知能(AI)ブームは、金利動向の重要性をさらに高めている。バーンスタインの分析では、アジアのハイテク株は予想PERが約23.6倍と過去5年間の平均近辺にあり、この指標だけを見れば妥当な水準に見える。
しかし、株価売上高倍率(PSR)は過去最高水準に留まっており、債券利回りがさらに上昇した場合、セクターは脆弱性を露呈する可能性がある。歴史的に見ても、金利上昇局面では、将来のキャッシュフローの割引率への感応度が低い「短デュレーション」銘柄が有利になる傾向がある。
市場への影響
バーンスタインの分析によると、2020年以降、同社の短デュレーション株ポートフォリオは年率10.9%のリターンを上げたのに対し、長デュレーション株は8.9%に留まった。これは、金利上昇環境下での銘柄選別の重要性を示唆している。
例外として、中国株はバーンスタインの短デュレーション・バスケットで大きな割合を占めるため、金利上昇の恩恵を受ける可能性があるという。一方で、韓国、インド、オーストラリア、フィリピンではすでにインフレ率が目標を上回っており、米国の実質金利が過去15年で最高水準にあることも、アジア市場への影響を増幅させかねないリスク要因として挙げられている。