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日米協調介入は円相場の転換点か INGが分析

7月下旬に実施された日米協調介入は、円相場の長期的な転換点となる可能性がある。オランダの金融大手INGのアナリストは、スコット・ベッセント米財務長官が介入の成功に強い自信を示している背景には、円が対ドルで大幅に過小評価されているとの確信があると分析している。
ベッセント長官が賭ける円の過小評価
INGのグローバル市場責任者であるクリス・ターナー氏によると、今回の協調介入は1998年のアジア通貨危機以来となる円買い介入であり、ベッセント長官は相当な政治的資本を投じていると見られる。かつてヘッジファンドのポートフォリオマネージャーであった同長官の自信は、円が本質的な価値より割安であるとの信念に基づいているという。
同行のFXストラテジスト、フランチェスコ・ペソレ氏が用いる行動均衡為替レート(BEER)モデルでは、2026年を通じてドル円相場が20%以上の過大評価状態にあったことが示されている。この分析が、介入の理論的根拠の一つとなっている。
円高持続には国内への資金還流が鍵
ターナー氏は、円高が持続的なトレンドとなるためには、日本企業が海外で得た収益を国内に還流させることが不可欠だと指摘する。韓国銀行の調査を引用し、日本は海外投資収益の46%を再投資として海外に留保しており、これは韓国(40%)、ドイツ(28%)、台湾(18%)を上回る水準だ。
Adこの状況を打開するため、日本政府が7月に発表した2040年までに370兆円(2.3兆ドル)の官民投資を行う新成長戦略が鍵を握ると見られている。ターナー氏は、NISA口座への日本国債(JGB)の追加や、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による国内資産へのリバランスといった構造的な動きも、憶測としながらも可能性として挙げている。
市場の焦点と今後の見通し
市場は、日銀の金融政策にも注目している。INGのメモによると、市場は9月の日銀会合での利上げの可能性を約75%織り込んでいる。こうした金融政策の正常化への期待も、円を支える要因となる。
ターナー氏は、過去に通貨トレンドを転換させた中央銀行のシグナリングの例として、スウェーデン・リクスバンク(2023年6月)とメキシコ銀行(2023年9月)の事例を挙げた。ベッセント長官は円高に賭けていると見られるが、最終的に円高が定着するかは、国内の投資収益率の上昇、力強い経済成長、そして日銀の金融政策次第となる。INGは、ドル円相場の基本シナリオとして2026年末に158円、2027年末に152円を予測している。