Story
英国のネスト年金基金、35億ポンドの新興国市場運用委託をウェリントンに移管、積極的戦略に転換

Summary
英国最大の企業年金基金であるNestは、35億ポンド規模の新興国株式ポートフォリオを、ウェリントン・マネジメントが運用するアクティブ運用戦略に移行し、パッシブ運用を終了した。これは、企業の持続可能性とガバナンスに対する影響力を高めるためである。
英国最大の企業年金基金であるNestは、運用資産総額35億ポンド(46億ドル)の新興国株式ポートフォリオを、米国の資産運用会社ウェリントン・マネジメントが運用するアクティブ運用戦略に全面的に再配分しました。この動きは、同基金が長年続けてきた新興国株式におけるパッシブ運用、インデックス運用からの大きな転換であり、サステナビリティ問題に関する株主エンゲージメントの強化を目指すものです。
積極的なエンゲージメントへの戦略的転換
1,400万人以上の加入者のために680億ポンドを運用するNestは、1,000銘柄以上を保有するパッシブ運用ポートフォリオから、約100~150銘柄に絞り込んだポートフォリオへと移行します。Nestのパブリック・プライベート市場担当ディレクターであるレイチェル・ファレル氏によると、従来のパッシブ運用戦略では、気候変動、ダイバーシティ、労働者の権利といった問題に関して、企業統治に効果的に影響を与えることが困難だったとのことです。
「純粋なパッシブ運用では、十分なエンゲージメントが得られなかった」と、ファレル氏はロイター通信のインタビューで述べた。彼女は、効果的な株主となるためには、ポートフォリオ企業の「重要な株主」となる必要があり、そのためには、より大規模で集中的な保有比率が重要だと説明した。
運用方針の詳細とパフォーマンス目標
2024年に開始された定期見直しを経て下された今回の決定は、1兆3000億ドルの資産を運用するウェリントン・マネジメントにとって大きな成果となる。新たなアクティブ運用戦略はMSCI新興国市場指数をベンチマークとし、ウェリントンは100ベーシスポイントの超過収益を目指す。
Adファレル氏は、これまでのパッシブ運用は目標リターンを達成していたものの、効率性の低い新興国市場においては、アクティブ運用が大きな付加価値を生み出すことができるという証拠があると指摘した。今回の運用方針転換は、ネストの運用資産総額の約5.2%に相当する。
より広範な市場環境
今回の戦略変更は、新興国株式が好調なパフォーマンスを示している中で行われました。MSCI新興国市場指数は年初来で22%上昇し、先進国市場を対象としたMSCIワールド指数の9%上昇を上回っています。Nestの今回の動きは、昨年The People's Pensionが新興国市場への投資配分をより積極的な戦略へと転換したのと同様の、より広範なトレンドを反映したものでもあります。
英国有数の機関投資家であるNestの戦略決定は、非常に大きな影響力を持っています。毎月約7億ポンドの拠出金を集める同基金は、2030年までに運用資産が1,000億ポンドに迫ると予測しており、その投資哲学が資産運用業界に与える影響はさらに大きくなるでしょう。