Story
サンディスク株が急騰、メタとの長期供給契約を内部メモが示唆

Summary
ロイター通信が報じたメタ・プラットフォームズの内部メモにより、同社がAIインフラ拡充の一環としてサンディスクと複数年にわたるフラッシュストレージ供給契約を締結したことが明らかになり、9日の市場でサンディスクの株価が急騰した。
ロイター通信が報じたメタ・プラットフォームズの内部メモを受け、9日の米国株式市場で半導体ストレージ大手のサンディスクの株価が急騰した。メモによると、メタはAI(人工知能)向け計算インフラの大規模拡張計画の一環として、サンディスクからフラッシュストレージを調達する複数年の長期供給契約を締結したという。
メタの巨大AIインフラ計画
ロイターが伝えた内部メモは、メタの野心的なインフラ計画の青写真を明らかにしている。同社は2026年に7ギガワット、2027年にはその倍となる14ギガワットの計算能力を配備する計画だ。
この計画の中心となるのが、メタが自社開発する次世代AIチップ「Iris」で、2026年9月に生産開始が予定されている。メタはエヌビディアやAMDといった外部サプライヤーへの依存を低減する長期的な取り組みを進めており、今回のインフラ投資はその一環とみられる。なお、ロイターの報道に対しサンディスクはコメントを控えており、メタからの返答はなかったという。
サプライヤー各社の株価に明暗
この報道は、メモリーおよびストレージ関連銘柄全体に好影響を与えた。メモでフラッシュストレージのサプライヤーとして名指しされたサンディスクの株価は、一時6.8%以上上昇。同セクターではマイクロンが8%、ウエスタンデジタルとシーゲイトがそれぞれ約7%上昇するなど、週前半の売り圧力を跳ね返す形で買いが優勢となった。
Adまた、光ファイバー機器の供給元として名前が挙がった住友電気工業の米国預託証券(ADR)も4.7%上昇した。一方で、巨額の投資負担が懸念されるメタの株価は2.18%下落。同社は2026年にAIインフラへ最大1,450億ドルを投じる見込みで、投資家の間ではそのコストに対する警戒感が広がっている。
背景:「チップフレーション」と市場の活況
NANDフラッシュ市場は需要逼迫を背景に活況を呈しており、サンディスクの業績は急拡大している。直近の第3四半期決算では、売上高が前年同期比約2倍の59.5億ドルに達し、非GAAPベースの粗利益率は78.4%という高水準を記録した。同社は既に、複数年契約により最低420億ドルの収益が確定していることを公表している。
モルガン・スタンレーのアナリストは、半導体価格の急激な上昇がマクロ経済の懸念材料となる「チップフレーション」という状況を指摘している。この力学は、サンディスクのようなサプライヤーには追い風となる一方、メタのような購入者には圧力となる。市場の関心は、7月10日に予定されている韓国SKハイニックスの米国ナスダック市場でのIPOに集まっており、AIメモリー分野への機関投資家の意欲を測る試金石となりそうだ。