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NYタイムズ、DEI巡る訴訟で米雇用機会均等委を反訴 報道への報復と主張

米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は、同社のDEI(多様性、公平性、包摂性)方針を巡って提訴した米連邦政府機関、雇用機会均等委員会(EEOC)を反訴した。10日にマンハッタンの連邦裁判所に提出された訴状でNYTは、この訴訟がトランプ政権に関する同社の報道に対する違法な報復行為であると主張している。
訴訟の経緯
EEOCは今年5月、NYTを提訴した。訴えによると、NYTは不動産部門の副編集長のポストを巡る選考で、勤務11年のベテランである白人男性のブライアント・ルソー氏を不当に昇進させず、経験の浅い多人種の女性を任命したとされる。EEOCは、これが同社のDEI目標達成を目的とした差別的な採用慣行であると主張していた。
NYTは金曜日に提出した書面で、EEOCの主張を全面的に否定。選ばれた候補者はルソー氏よりも経験豊富で、より適格であったと反論した。さらに、同社のDEI目標が採用決定に影響を与えた事実はないとしている。
NYT側の主張と市場への影響
NYTは今回の反訴で、EEOCの訴訟は「報道機関を標的とした悪意ある権限の乱用」であり、「自由で独立した報道と民主主義に対する脅威」だと強く非難した。トランプ大統領が同紙を「国民の真の敵」と呼ぶなど、政権からの敵意が背景にあると示唆している。
Adこの法廷闘争は、企業が推進するDEI方針に対する政治的・法的な圧力が高まっていることを示す象徴的な事例と言える。投資家や企業経営者にとって、DEI関連の取り組みが今後、政府機関による調査や訴訟の対象となるリスクが高まっていることを示唆しており、コーポレートガバナンスや人事戦略を見直す上で重要な動向となる。
拡大するDEIへの逆風
EEOCによるDEI方針への取り締まりは、NYTの件にとどまらない。ロイター通信によると、同委員会はナイキやノースウエスタン・ミューチュアル生命保険の多様性推進策についても調査を進めているほか、男性をネットワーキングイベントから除外したとしてコカ・コーラのボトラーを提訴している。
トランプ政権は昨年、政府、教育、民間部門におけるDEIの取り組みを終了させることを目的とした大統領令を発令しており、今回の訴訟もその方針に沿った動きとみられる。企業は今後、DEI方針の運用において、より慎重な法的検討を迫られる可能性がある。