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LME銅、史上最高値を更新―米関税アービトラージとAI需要が拍車、チリ供給不安も追い風に

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Sep 9, 20261 min read
LME銅、史上最高値を更新―米関税アービトラージとAI需要が拍車、チリ供給不安も追い風に

Summary

ロンドン金属取引所(LME)の銅価格が、米国の関税導入観測に伴う裁定取引と、AI関連の旺盛な需要を背景に史上最高値を更新した。世界最大の生産国であるチリの供給不安も、需給の逼迫感を強めている。

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ロンドン金属取引所(LME)の3ヶ月物銅先物価格が一時0.8%上昇し、1トンあたり14,533ドルに達し、今年1月に記録した過去最高値を更新した。米国の精錬金属に対する輸入関税拡大への期待感が、短期的な価格高騰の引き金となっている。

関税観測が招く「局所的な品薄」

現在の価格上昇の直接的な要因は、米国の関税導入を見越した裁定取引(アービトラージ)だ。市場関係者は、価格が相対的に高い米国市場で利益を得るため、数十万トンの銅を米国へ輸送している。これにより、世界の銅在庫は米国に集中する一方、LMEの指定倉庫在庫は減少し、短期的な供給逼迫を引き起こしている。

この状況は、LME市場において当業者間の受け渡しに使われる現物価格が先物価格を上回る「現物プレミアム(バックワーデーション)」を発生させている。チリの銅シンクタンクCescoの上級アナリスト、クリスティアン・シフエンテス氏は、「これは世界的な需要超過というより、関税による金属の移動が引き起こした局所的な品薄だ」と指摘する。

AIとエネルギー転換が構造的需要を牽引

長期的な視点では、銅の需給ファンダメンタルズが価格を支えている。特に、人工知能(AI)の発展が新たな需要の原動力となっている。AIデータセンターは膨大な電力を消費するため、施設内の配線だけでなく、発電所、送電網、変圧器といったインフラ全体で銅の需要が急増する。

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  • ある試算によると、1ギガワットのAIデータセンターは、従来の施設に比べて2.5倍の銅を必要とする。
  • 2026年には、世界のAI関連インフラ整備だけで新たに約40万〜47.5万トンの銅需要が生まれると予測されている。

これに加え、電気自動車(EV)や太陽光・風力発電といったエネルギー転換に関連する分野でも、銅は不可欠な素材であり、構造的な需要は今後も拡大が見込まれる。

最大の産銅国チリで供給懸念が深刻化

需要が拡大する一方で、供給サイドには懸念材料が山積している。世界最大の銅生産国であるチリでは、8月の銅輸出額が価格高騰にもかかわらず前年同月比3.2%減の46.2億ドルと、1年ぶりの低水準に落ち込んだ。

これは、厳しい冬の嵐や鉱山事故といった操業上の問題が相次いだためだ。AntofagastaやLundin Miningなどの主要企業は2026年の生産見通しを下方修正しており、このままでは世界の銅鉱山生産量は2017年以来の年間減少に転じる可能性が指摘されている。StoneX Financial Inc.の金属部門責任者であるマイケル・クオコ氏は、旺盛な需要と供給面の課題が「将来の市場の需給バランスをよりタイトにし、価格上昇を支えるだろう」との見方を示した。

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