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リンツ、児童労働問題で米で提訴 サプライチェーン巡り消費者誤解と主張

Summary
スイスのチョコレート大手リンツ&シュプルングリーが、カカオ豆のサプライチェーンにおける児童労働について消費者を欺いているとして、米国の権利擁護団体から提訴された。同社は疑惑を否定している。
スイスのチョコレート大手リンツ&シュプルングリーが、カカオ豆のサプライチェーンにおける児童労働の利用について消費者を誤解させているとして、米国で訴訟を提起された。7月23日にワシントンの連邦裁判所に提出された訴状は、同社が責任ある原材料調達を約束しているにもかかわらず、実際には児童労働から利益を得ていると主張している。
訴訟の概要
この訴訟は、人権擁護を目的とする法律事務所「International Rights Advocates」によって起こされた。訴状によると、リンツはサプライチェーンから児童労働を排除しようと努めていると偽りの説明をし、人権尊重へのコミットメントを掲げているが、その実態は異なると指摘している。
訴状は、リンツが20年以上にわたり、主要なカカオ調達先であるガーナとコートジボワールで児童労働によってカカオが生産されていることを認識しながら利益を上げてきたと主張。「倫理的、合法的、環境的、社会的に責任ある方法で事業を行う」と公言する企業が、サプライチェーンで広範な児童労働を利用しているとは、合理的な消費者は想定しないだろうと述べている。
この訴訟は金銭的な損害賠償を求めるものではなく、ワシントンD.C.の消費者に向けられたリンツの「違法行為」の停止を目的としている。
双方の主張と背景
Adリンツの広報担当者は電子メールで、「児童労働の問題を非常に深刻に受け止めており、あらゆる形態の児童労働を強く非難し、訴状の申し立てを否定する」とコメントした。同社は供給業者に関する規定を設け、サプライチェーン内で疑われる事例を体系的に調査していると説明している。また、同社のウェブサイトでは、西アフリカのカカオ農家を支援し、児童労働のリスクを低減する取り組みを記した「2030年サステナビリティ計画」などが公開されている。
一方、原告側で事務局長を務めるテリー・コリングスワース氏は、「リンツは他の大手カカオ会社と同様、素晴らしい方針を文書化しているが、特に児童労働問題に関しては事実上ほとんど実行されていない」と反論している。同法律事務所は過去にも、マース、モンデリーズ、ネスレといった他の大手チョコレートメーカーを同様の問題で提訴した経緯がある。
市場への影響
今回の訴訟は、リンツにとって重大なレピュテーション(評判)リスクとなる。同社のようなプレミアムブランドは消費者の信頼に大きく依存しており、サプライチェーンにおける人権問題はブランドイメージを著しく損なう可能性がある。近年、投資家や消費者の間でESG(環境・社会・ガバナンス)への関心が高まる中、たとえ損害賠償が請求されなくとも、こうした疑惑は企業の評価や売上に長期的な影響を及ぼす可能性がある。