Story
J&Jタルク訴訟、米連邦判事が原告側の証拠に疑義 6万9000件に影響か

Summary
米連邦判事は、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)のタルク製品が卵巣がんを引き起こしたとする約6万9000件の訴訟において、原告側の専門家証言の科学的根拠に重大な疑義を呈しました。これにより、訴訟が棄却されるリスクが高まっています。
米国の連邦判事は、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)のベビーパウダーなどのタルク製品が卵巣がんを引き起こしたとする約6万9000件の訴訟において、原告側の主張の根幹を揺るがす判断を示しました。原告側に対し、より具体的な証拠を提示しなければ訴えが棄却される可能性があると警告しています。
専門家証言の信頼性に疑問符
ニュージャージー州トレントン連邦裁判所のラクシャナ・シン連邦治安判事は、原告側の専門家2名による最近の証言が、訴訟の前提を覆しかねないとの見解を表明しました。同判事によると、専門家らは証言の中で、原告の卵巣がんについて、タルク製品の使用以外の原因を完全に排除できないと認めました。
シン判事は意見書の中で、「もしこのような不確実性が現実であるならば、ここのどの原告が、自身の主張のメリットに関する立証責任を果たせるというのか」と指摘。これにより、裁判で証拠として認められる「タルクパウダーの使用が特定の卵巣がんを引き起こした」という因果関係の証明が困難である可能性が示唆されました。
訴訟への影響
Adこの判断は、連邦裁判所に併合されている数千件の訴訟の「即時棄却」にはつながらないものの、原告側にとっては極めて厳しい状況となります。シン判事は原告側に対し、11月19日までに、J&Jのタルクが自身の特定のがんを引き起こしたという、証拠能力のある専門家の意見を提示できないにもかかわらず、なぜ訴訟が棄却されるべきではないのかを説明するよう命じました。
今回の専門家証言は、今後の和解交渉の指針となる「ベルウェザー裁判(先行訴訟)」の準備段階で行われたものです。このため、今回の司法判断は、今後の訴訟戦略や和解金額の評価に大きな影響を与える可能性があります。
背景とJ&Jの立場
J&Jは長年にわたり、同社のタルク製品は安全であり、発がん性物質であるアスベストを含んでいないとして、製品とがんの関連性を一貫して否定しています。同社は、この問題に関連する訴訟費用などを切り離すため、過去に子会社の破産申請を試みましたが、裁判所に認められませんでした。今回の司法判断は、法廷闘争を続けるJ&Jにとって有利な展開となる可能性があります。