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ゴールドマン、米イラン緊張で原油供給の回復に制約と指摘 イランの「意思」が鍵

ゴールドマン・サックスは最新の分析で、米国とイラン間の敵対行為の再燃がホルムズ海峡を通る石油輸送の回復を停滞させる恐れがあると警告した。同行は、供給回復の主な制約は輸送能力の不足ではなく、イラン側の「意思」にあると指摘している。
ホルムズ海峡の緊張激化
今週、ホルムズ海峡付近でタンカーへの攻撃が相次ぎ、米国とイランが報復攻撃を応酬するなど、地政学的リスクが急激に高まった。これを受け、ブレント原油先物は1バレルあたり約80ドルまで上昇した。トランプ米大統領がイランとの「停戦は終わった」と発言したことや、米国がイラン産原油に対する制裁の適用免除を撤回したことが、市場の懸念を増幅させている。
ゴールドマン・サックスのストラテジスト、ユリア・ジェストコワ・グリグスビー氏が率いるチームは、「最近のタンカー攻撃は、海峡通航のリスクが依然として高いことを浮き彫りにしている」と指摘。不透明な状況下で海運会社が通航をためらい、短期的な輸送量に影響が出る可能性があるとの見方を示した。
供給回復の停滞と背景
ホルムズ海峡の石油輸送量は、紛争前の水準の80%超まで一度は回復したが、その後は70%台前半(日量平均1,600万~1,700万バレル)まで後退している。特にホルムズ海峡を通過する量に限ると、ピーク時の日量1,000万バレルから830万バレルまで減少し、紛争前の半分程度の水準に落ち込んでいる。
Adゴールドマンは、この輸送量の減少パターンが「迅速な回復の主な制約は、輸送能力の不足ではなくイランの意思である」という同行の見方を裏付けていると分析。その根拠として、ペルシャ湾内で積荷を待つ空のタンカーの積載能力が、積荷を積んだタンカーの量を50%以上上回っていることを挙げた。また、ペルシャ湾岸諸国の6月の原油生産量は、紛争前の水準を依然として日量1,050万バレル下回っていると推定している。
今後の見通しとリスク
ゴールドマンは今後の展開について、2つのシナリオを提示している。
- 基本シナリオ: もし交渉が継続され、制裁の適用免除が再開し、海運会社への安全が保証されれば、ペルシャ湾からの石油輸送量は7月末までに正常化する可能性がある。これにはホルムズ海峡の通航量を日量660万バレル増加させる必要がある。
- ダウンサイドシナリオ: 可能性は低いものの、交渉が決裂し、タンカーへの攻撃が激化、米国がイラン産原油の海上封鎖に踏み切るような事態になれば、輸送量は「さらに減少する可能性がある」と警告している。
別途、ロシアの製油所での稼働停止が日量380万バレルに達し、同国の精製能力の半分以上に影響が出ていることも供給圧力となっている。これにより、欧州のディーゼル燃料のマージンは1バレルあたり60ドル(前年は25ドル)に、米国では75ドルにまで上昇している。