Story
ゴールドマン、AI需要でデータセンター容量予測を上方修正 電力関連株に恩恵と指摘

ゴールドマン・サックスは、人工知能(AI)インフラへの旺盛な需要を背景に、2030年までの世界のデータセンター設備容量の見通しを大幅に引き上げた。ハイパースケーラーや新興クラウドプロバイダーによるコンピューティング能力の確保競争が激化する中、供給は引き続き逼迫する可能性が高いとみている。
2030年予測を大幅に上方修正
ゴールドマンは、世界のデータセンター設備容量が2030年までに217ギガワット(GW)に達するとの最新予測を発表した。これは従来の168GWから引き上げられたもので、2025年に予想される101GWの2倍以上の水準となる。
この予測に基づくと、2025年から2030年にかけての設備容量は、複合年間成長率(CAGR)17%で拡大することになる。追加される116GWの容量には約6兆ドルの設備投資が必要となるが、ゴールドマンは現在のハイパースケーラーの投資計画で十分に支えられる水準だと分析している。この見通し引き上げは、調査会社451 Researchが追跡するプロジェクト活動が予想を上回って推移していることを反映したものだという。
電力会社やIPPに恩恵
データセンターの急拡大は、電力需要の大幅な増加を意味する。ゴールドマンは、この恩恵を受ける主要企業として、電力価格の上昇やデータセンター関連の電力契約増加が見込まれる公益事業会社や独立系発電事業者(IPP)を挙げている。
Ad- 公益事業会社: FirstEnergy、Xcel Energy、Duke Energy、Sempra
- 独立系発電事業者: Talen Energy、Vistra、NRG Energy
供給見通しが引き上げられたにもかかわらず、市場の状況は依然として極めて逼迫しているとゴールドマンは指摘。空室率の低下が続き、価格決定力は強まっている。一部の事業者からは、2021年に約70ドルだったキロワットあたりの価格が、今年後半には250ドルに近づくとの見方も出ているという。
米国が成長を牽引
成長の大部分は米国が占めるとみられており、新規容量の60%〜70%が米国に集中すると予想されている。これにより、米国のデータセンター容量は2030年までに約125GWに達する見込みだ。この拡大は米国の総電力需要を2030年まで年率3.5%で押し上げると試算されている。
ゴールドマンは、データセンターの電力消費量についても見通しを引き上げ、AIの導入加速に伴い、世界の需要は2025年比で2030年までに170%増加すると予測している。ただし、電力供給の確保、許認可の遅れ、労働力不足、機器の制約、地域住民の反対などが今後の拡大を遅らせるリスク要因として残ると警告している。