Story
フィッチ、PG&Eの見通しを「ネガティブ」に引き下げ 山火事の賠償責任懸念で

Summary
格付け会社フィッチは、カリフォルニア州の電力大手PG&Eの格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げた。山火事の賠償責任に関する州の法改正が進まず、規制環境が悪化していることが背景にある。
格付け大手のフィッチ・レーティングスは、米電力大手PG&E(パシフィック・ガス・アンド・エレクトリック)とその親会社PG&Eコーポレーションの格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げた。カリフォルニア州議会で山火事の賠償責任に関する法改正が進展しなかったことや、規制環境の厳格化が主な理由。
格下げの背景
フィッチによると、今回の見通し引き下げは、カリフォルニア州議会が会期末までに、投資家所有の公益事業者が直面する山火事の賠償責任を社会化する(費用を広く分担させる)ための有意義な法改正(上院法案254号など)を成立させられなかったことに起因する。
同行は、株式資本利益率(ROE)の低下や株式リターンへの制約といった規制上の課題も信用力への懸念材料として挙げている。フィッチは、山火事コストの負担を軽減する対策が進展しなければ、将来的にさらなる格下げにつながる可能性が高いと警告している。発行体デフォルト格付け(IDR)自体は「BBB-」で据え置かれたが、これは投資適格級の下限にあたる。
PG&Eの対応と財務への影響
立法府の動きを受け、PG&Eは2026年9月2日、事業の戦略的見直しを開始すると発表した。この見直しの一環として、同社は2027年の設備投資額を20億ドル削減し、114億ドルとする計画を明らかにしている。
AdPG&Eはこの措置について、投資適格級の信用格付けを維持し、設備投資コスト上昇による顧客の電気料金への圧力を緩和するとともに、株主価値を創造することが目的だと説明している。
市場への示唆
今回の見通し引き下げは、PG&Eの信用リスクが高まっていることを投資家に示すシグナルとなる。格付け自体は投資適格級を維持しているものの、「ネガティブ」な見通しは、1年から2年のうちに格下げ、つまり「ジャンク級」に転落する可能性が高まったことを意味する。
カリフォルニア州における山火事リスクの増大と、それに関連する莫大な賠償責任をめぐる政治的な不確実性は、同社の長期的な財務安定性にとって最大の懸念材料となっている。投資家は、今後の州議会での法改正の動向や、同社の戦略的見直しの結果を注視する必要がある。