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中国の原油輸入、戦争で急減―需要減は構造的か一時的か

Summary
世界最大の石油輸入国である中国の原油輸入量が4月以降急減し、市場の注目を集めている。この記事では、電気自動車への移行、景気減速、戦略備蓄の動向など、需要の先行きを左右する複数の要因を専門家の見解を交えて解説する。
世界最大の石油輸入国である中国の原油輸入量は、過去5年間の平均日量1150万バレルから、今年4月以降は平均日量800万バレルにまで急減した。この急激な輸入削減は世界の原油価格の上昇を抑制する一因となっているが、市場関係者はこの需要減少が恒久的なものかどうかの判断に苦慮している。
オックスフォード・エネルギー研究所の中国エネルギー研究責任者であるミハル・メイダン氏は、「何が起こったのかを完全に理解できていないため、非常に大きな不確実性がある」と指摘する。中国の備蓄規模は国家機密であり、国営石油会社の透明性も低いため、正確な状況把握は困難を極める。
需要を左右する複数の要因
中国の原油需要の将来を占う上で、考慮すべき要因は多岐にわたる。アナリストの一部は、紛争前の水準と比較して、最終的に中国の石油輸入が日量100万から200万バレル減少する可能性があると予測しており、これは世界の石油消費の伸びを牽引してきた同国にとって大きな転換点となる。
輸送用燃料の需要変化
原油輸入の約半分が輸送用燃料に精製されるため、国内の燃料需要の変化は重要な要素だ。特に注目されるのは、電気自動車(EV)への移行加速である。
- 6月の新車販売に占めるEVおよびハイブリッド車の割合は過去最高の62%に達した。
- 政府は6月、トラック輸送の電化計画を発表。2030年までに一部の短距離路線で電化率80%を目指しており、ディーゼル需要の減少を加速させるとみられる。
コンサルティング会社ライスタッドは、この危機が「消費者がEVに信頼を寄せるきっかけになった」とし、中国のガソリンとディーゼルの消費量が、紛争前の予測(それぞれ3.5%減、3%減)を上回り、6.6%減と6.9%減になるとの見方を示している。
Ad産業需要と景気の動向
中国国内の景気減速や輸出市場の悪化も、石油需要への下押し圧力となる。メイダン氏は、「我々が十分に考慮していないのは、より広範な経済の物語だ」と述べ、経済全体の動向が産業活動と石油需要に与える影響の重要性を強調した。
不動産危機は建設業界に打撃を与え、数年前からディーゼル需要を押し下げている。また、構造的な経済の弱体化は、プラスチックなどの石油化学製品の需要にも影響を及ぼす可能性がある。
戦略備蓄と輸出枠が鍵
今後の輸入動向を判断する上で、中国政府の備蓄政策と燃料輸出枠の運用が鍵を握る。昨年、ホルムズ海峡の閉鎖という衝撃に備えるために行われた備蓄積み増しキャンペーンは、原油輸入量を押し上げる要因となったが、現在はその動きが止まっているとみられる。
スパルタ・コモディティーズのシニアアナリスト、ジューン・ゴー氏は、電化などの構造的変化により月間の原油輸入が日量800万〜900万バレルに落ち着く可能性がある一方、政府が再び備蓄を強化すれば、輸入量は日量950万〜1100万バレルの範囲に戻る可能性があると分析する。アナリストらは、ブレント原油価格が1バレル70ドルを下回る水準になれば、備蓄が再開される可能性があるとみている。
また、余剰なガソリンやディーゼルを吸収する輸出がなければ、中国の製油所が原油の購入を増やし生産を拡大するインセンティブは乏しい。政府は7月に燃料輸出制限を解除したが、戦闘が再開されれば8月に再び規制を課す可能性も残っており、不透明な状況が続いている。