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米経口鼻炎薬訴訟、「最大効果」表示巡る請求を連邦高裁が再開命令

Summary
米連邦控訴裁判所は、経口鼻炎薬の有効性を巡る集団訴訟で、製薬会社や小売業者が自主的に追加した「最大効果」という表示に関する消費者からの請求を再開するよう命じた。
米国の連邦控訴裁判所は、市販の経口鼻炎薬に効果がないとして消費者らが製薬会社や小売業者を相手取って起こした大規模な集団訴訟について、一部の請求の審理を再開させる判断を下した。これにより、製品ラベルの「最大効果」という表示に関する訴えが、下級審で再び争われることになる。
訴訟の経緯と高裁の判断
この訴訟は、2023年9月に米食品医薬品局(FDA)の諮問委員会が、ヴィックスやアドビルなどの市販薬に含まれる有効成分経口フェニレフリンについて「プラセボ(偽薬)以上の効果はない」との見解を示したことを受けて提起された約100件の訴訟を統合したもの。
ニューヨークの第2巡回区連邦控訴裁判所は、大半の請求については、被告企業がFDAの表示要件に従っていたとして、連邦法が州法に優先するとの判断から棄却した。しかし、以下の2点については審理の再開を命じた。
- 「最大効果(maximum strength)」の表示: この文言はFDAが義務付けたものではなく、各社が独自に付け加えたものであるため。
- 新薬承認手続きを経たブランド薬: 企業側が最新の科学的知見を反映してラベルを更新する義務があった可能性があるため。
デニー・チン巡回判事は判決文で、「経口フェニレフリンが鼻閉改善薬として機能しないことがFDA自身の審査で確認されている状況で、州法上の救済が制限されることは不公平に見えるかもしれない」と指摘。その上で、「しかし、その是正は訴訟からではなく、FDAからなされるべきだ」と述べた。
市場と企業への影響
Adこの訴訟の被告には、製薬会社のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、ヘイリオン、バイエル、GSK、ケンビューのほか、CVS、ウォルマート、ターゲット、コストコといった大手小売業者が含まれる。
今回の判決は被告らにとって部分的な勝利ではあるものの、訴訟が完全に終結したわけではないことを意味する。今後も法務費用が発生し、最終的な判決によっては損害賠償のリスクが残る。原告側弁護士のジョナサン・セルビン氏は、「この訴訟はまだ終わったとは到底言えない」と述べ、企業側が長年にわたり効果がないと知りながら製品を販売し、数十億ドルの利益を上げてきたと非難した。
背景と今後の見通し
この訴訟は、一度はブルックリンの連邦地方裁判所によって棄却されていたが、今回の高裁判断によって一部が差し戻されることになった。FDAは2023年11月、市販の経口風邪薬からフェニレフリンを成分として削除する提案を行っており、規制当局もその有効性に疑問を呈している。
今後、訴訟は下級審に戻り、「最大効果」表示の妥当性などを巡って再び審理が行われる見通し。投資家は、関連企業の法務リスクと、規制当局の今後の動向を引き続き注視する必要がある。