Story
AI関連株、7月23日に5000億ドル消失-巨額設備投資への懸念が転換点に

Summary
アルファベットの巨額の設備投資計画をきっかけに、7月23日の取引で同社とテスラだけで時価総額が約5000億ドル吹き飛んだ。市場ではAIブームの持続性に対する懸念が急速に広がり、投資家心理の転換点となった。
活況を呈していた人工知能(AI)関連株の取引は、2026年7月23日に重大な転換点を迎えた。この日、アルファベットとテスラの2社合計で時価総額が約5000億ドル減少し、アナリストらはこの日を「AI取引が崩壊した瞬間」と位置付けている。
巨額の設備投資計画が引き金に
一連の動きは、7月22日の取引終了後にアルファベットが発表した第2四半期決算から始まった。同社は2026年の設備投資(キャップエックス)見通しを1950億~2050億ドルに引き上げ、これが市場の警戒感を一気に高めた。
翌23日の市場の反応は厳しく、アルファベットの株価は7.1%、テスラは14.5%それぞれ急落。ブルームバーグによると、この売りは株式市場にとどまらず、AI関連の社債も売られるなど、債券市場にも懸念が波及した。
市場心理の転換
市場心理の変化は、この数週間で徐々に醸成されていた。ロイター通信が引用したゴールドマン・サックスのデータによると、ヘッジファンドは7月に入るまでの4週間連続でハイテク・ハードウェアへのエクスポージャーを削減していた。
Adこれまで市場は、AIの将来的な収益性を見込んで巨額の設備投資を許容してきたが、その忍耐が尽きた格好だ。アンダーセン・キャピタル・マネジメントのピーター・アンダーセンCEOは24日、ロイターに対し「投資家は、これら全ての支出をどう理解すればいいのか、そして実際に利益に結びつくまでどれだけ待てばいいのかを考え始めている。『乗り遅れることへの恐怖(FOMO)』は、むしろ『大規模な過剰設備への恐怖』に変わりつつある」と語った。
売りは世界に波及、今後の焦点
この売りは世界市場にも波及した。7月28日には韓国総合株価指数(KOSPI)が近年で最悪の下落率を記録し、サムスン電子やSKハイニックスといった半導体大手の株価も急落。同日、格付け会社フィッチは、AI市場の調整が世界的な信用リスクとして浮上していると警告した。
現在の市場の議論は、この売りがファンダメンタルズの本格的な見直しを反映したものなのか、それとも投資家心理の行き過ぎなのかに集中している。今後は29日の取引終了後に予定されているメタ・プラットフォームズとマイクロソフトの決算発表、そして同日の米連邦準備制度理事会(FRB)の金利決定が焦点となる。これらの大手ハイテク企業が設備投資の縮小を示唆すれば、弱気派の見方を裏付けることになり、AIセクターにとって極めて重要な局面を迎える。