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円相場、1ドル155円割れで急伸 キャリートレード解消懸念で152円台が視野に

外国為替市場で円が対米ドルで急伸し、重要な節目と見られていた1ドル=155円を割り込んだ。この動きはストップロス(損失確定)の売り注文を誘発し、円高の流れを加速させており、市場参加者は次の目標として152円台を意識し始めている。
155円割れが円高を加速
円は火曜日の取引で一時0.4%上昇し、153.80円を付けた。前日には1.2%上昇しており、月間の上昇率は4%近くに達し、主要10カ国(G10)通貨の中で最も好調なパフォーマンスとなっている。
市場関係者によると、ドル円相場が155円を割り込んだことで大量のストップロス注文が執行され、オプションディーラーによるドル売りも重なったという。この急激な円高は単一の要因によるものではなく、米国の祝日を挟んだ市場の流動性の低下や、日銀の利上げ観測の高まり、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の資産構成見直しへの思惑などが複合的に影響したとみられている。
オーストラリア・ナショナル銀行のストラテジスト、ロドリゴ・カトリル氏は、「155円付近の支持線を下抜けたことで、さらなる下落への扉が開かれた。ドル円は年初来の円の最高値水準である152.27円や152.10円付近を試す可能性が高い」と指摘している。
キャリートレード解消への懸念
Ad今回の急速な円高は、低金利の円を借り入れて高金利資産に投資する「円キャリートレード」が大規模に巻き戻される(ポジションが解消される)ことへの懸念を市場に広げている。
この動きは、ブラジルレアルや南アフリカランドといった高金利通貨に対して円が1%以上上昇していることからも裏付けられる。SMBC日興証券の丸山林太郎シニア金利・為替ストラテジストは、「154円を割り込むような展開になれば、円キャリートレードのさらなるポジション解消やストップロスを誘発し、円高余地が生まれる可能性がある」と分析している。
市場の目は日米の金融政策へ
今後の市場の焦点は、日米双方の金融政策の行方に移っている。米国では今週金曜日に発表される消費者物価指数(CPI)が米連邦準備制度理事会(FRB)の政策見通しを探る上で注目される。
一方、日本では来週に控える日銀の金融政策決定会合への関心が高い。翌日物金利スワップ(OIS)市場では、0.25%の利上げが97%の確率で織り込まれており、市場の期待に応えるだけでなく、円高基調を維持するために日銀が十分にタカ派的なシグナルを発信できるかが試される。会合に先立ち、高田創審議委員の講演内容も利上げペースを探る手がかりとして注視される。