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米農務省の職員移転計画、大量退職で主要事業に支障の恐れ

Summary
米農務省(USDA)がワシントン首都圏から数千人規模の職員を地方へ移転する計画に対し、職員の大多数が移転を拒否し退職する意向であることが判明。これにより、農業研究や貿易、食糧支援などの重要プログラムが危機に瀕する可能性が指摘されている。
米農務省(USDA)が進める大規模な職員移転計画が、職員の大量退職を引き起こし、研究、貿易、食糧支援といった基幹プログラムを危うくするとの懸念が強まっている。ロイターが実施した職員へのインタビューや労働組合の調査によると、移転対象者の大半が移転に応じず、退職を選択する意向を示している。
計画の概要と職員の反発
この計画は、トランプ政権が推進する連邦政府の広範な再編の一環であり、ワシントン首都圏に勤務するUSDA職員4,600人のうち半数以上を地方事務所へ移転させるものだ。農家や牧場主へのサービス向上を目的としているが、職員側からは強い反発が出ている。
海外農務局(FAS)の職員を代表する米国州郡市職員連盟(AFSCME)第3976支部が6月に実施した調査では、カンザスシティへの移転に応じると回答した職員はわずか3.8%だったのに対し、71%以上が移転を命じられれば退職すると答えた。また、食料栄養局(FNA)の職員を代表する全国財務職員労働組合(NTEU)第226支部の調査でも、81%が移転しない意向を示した。育児や親の介護、配偶者の仕事などが移転を困難にする理由として挙げられている。
主要プログラムへの影響
職員の大量離職は、USDAが担う複数の重要プログラムの機能不全に直結する恐れがある。
Ad- 海外農務局(FAS): 職員の多くは、世界約100カ所の海外事務所の外交官を支援する部署や、国際食糧支援プログラムを管理する部署に所属している。大量離職が発生すれば、貿易交渉や食糧援助活動に深刻な支障が出ることが予想される。
- 食料栄養局(FNA): フードスタンプとして知られる補助的栄養支援プログラム(SNAP)など16の栄養支援プログラムを運営している。職員不足は、残された職員の業務負担を増大させ、プログラムの円滑な提供を妨げる可能性がある。
- 農業研究局(ARS): メリーランド州の研究所から科学者を移転させることで、トマトやイチゴの品種改良といった進行中の研究が中断し、投じられたリソースが無駄になるリスクが指摘されている。
労働組合や議会からの反対
事態を重く見た複数の労働組合は7月上旬、大量離職によってUSDAがその使命を果たせなくなるリスクがあるとして、再編計画の差し止めを求める訴訟を提起した。この訴訟には、USDA職員の技術支援に依存するWIC(女性・乳幼児向け特別栄養補給プログラム)の支援団体なども加わっている。
議会からも懸念の声が上がっている。エイミー・クロブシャー上院議員(民主党)をはじめとする20人の上院議員は7月27日、農務副長官に対し、特に地方開発局に与える影響について懸念を示す書簡を送付した。同局では60%のポストがセントルイスまたはダラスに移転される予定だ。トランプ前政権下で実施されたワシントンからカンザスシティへの数百人規模の移転でも、大幅な職員の離職が発生した経緯があり、同様の事態の再来が危惧されている。