Story
UBS、金価格が2027年前半に5000ドルへ上昇と予測

Summary
スイスの金融大手UBSは、金価格が2027年前半までに1オンスあたり5000ドルに達するとの予測を改めて示した。実質金利の低下、ドル安、中央銀行の需要を強気見通しの主な要因として挙げている。
Text size
Background
スイスの金融大手UBSは、金(ゴールド)価格が2027年前半までに1トロイオンスあたり5,000ドルに達するとの予測を改めて示した。最近の金価格は4,000ドルから4,100ドルのレンジを上抜け、6月以来初めて4,250ドルを突破しており、市場の注目が集まっている。
UBSが示す3つの構造的要因
UBSはその強気な見通しの根拠として、3つの構造的な柱を挙げている。同行は、これらの要因が中長期的に金価格を支えると分析している。
- 実質金利の低下: 金融政策が最終的に緩和に転じることで、実質金利が低下すると予想。金利を生まない金の保有に伴う機会費用が減少し、投資需要を喚起すると分析している。同行は、インフレが緩やかに鈍化し、FRB(米連邦準備制度理事会)が2027年に利下げを再開すると見込んでいる。
- ドル安の進行: 米国の巨額な財政赤字や経常赤字といった構造的な課題を背景に、中期的にはドル安が再燃する可能性があると指摘。歴史的にドル安は金価格の強力な追い風となってきた。
- 中央銀行による旺盛な需要: 各国中央銀行による金の購入は、個人投資家や機関投資家の需要が低迷する時期でも市場を支える、強固な価格の下支え要因になっていると説明している。
短期的な背景とリスク
Ad直近の価格上昇の背景には、中国の機関投資家による買いや金関連ETFへの資金流入があったとUBSは指摘する。また、日米両政府による円相場安定化に向けた動きが米国債の大量売却リスクを低下させ、間接的に金を支援した可能性も挙げている。
しかし、5,000ドルへの道のりは平坦ではないとも警告している。米国の経済指標が堅調を維持した場合や、原油価格の高止まりによるインフレ懸念、市場がFRBのタカ派的な金融政策を織り込み続ける場合などは、短期的なリスク要因となり得る。これらの要因はFRBによる金融緩和の開始を遅らせ、実質金利を高止まりさせることで、金価格の重しとなる可能性がある。
市場への示唆
UBSが掲げる5,000ドルという目標価格は、直近の4,250ドル超の水準から約18%の上昇を意味する。同行は、中長期的には複数の強力なドライバーが金価格を支えるとの見方を維持しつつも、短期的には経済指標や金融政策の動向によって価格が変動する可能性を示唆しており、投資家は今後の展開を注視する必要がある。