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地政学リスク下でも原油価格が安定、複数の要因が相殺

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Jul 21, 20261 min read
地政学リスク下でも原油価格が安定、複数の要因が相殺

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2月下旬に始まった米国・イラン間の紛争にもかかわらず、原油価格は予想外の安定を保っている。米国の増産や中国の需要減速、市場心理の変化などが、ホルムズ海峡の供給不安を相殺している。

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2月下旬に米国とイランの間で紛争が勃発した際、多くのアナリストは原油価格が1バレルあたり150ドル、あるいは200ドルにまで高騰すると予測した。しかし、ロイター通信によると、ブレント原油先物は126ドル付近でピークを付けた後、紛争開始から6月11日までの平均価格は101ドルにとどまり、地政学的な緊張にもかかわらず価格は比較的抑制されている。

供給増加と需要減速が価格を抑制

価格の安定には、供給と需要の両面からの要因が寄与している。まず、供給面では世界最大の産油国である米国が生産を拡大し、4月には日量1393万バレルという記録的な水準に達した。さらに、国際エネルギー機関(IEA)が協調し、3月には戦略石油備蓄(SPR)から過去最大となる4億バレルの放出が実施され、供給不安を和らげた。

サウジアラビアがホルムズ海峡を迂回し、紅海に面したヤンブ港からの出荷を大幅に増やしたことも、供給網の安定化につながった。トレーダーからは、現物市場には潤沢な供給があるとの声も聞かれる。

一方、需要面では世界最大の石油輸入国である中国の動きが市場の最大のサプライズとなった。中国は6月までに原油輸入を過去10年近くで最低水準まで削減。この需要減速が、価格上昇の大きな抑制力となっている。

市場心理の冷却化と「トランプ効果」

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市場心理も価格の安定に影響を与えている。トランプ米大統領が和平合意やホルムズ海峡の通航再開について繰り返し発言したことで、市場の先行き不透明感が高まった。これにより、多くのトレーダーが急な相場反転のリスクを警戒し、大規模な強気の買いポジションを取ることに消極的になっている。

オックスフォード・エネルギー研究所のイリア・ブシュエフ氏は「誰もが強気だが、ロングポジションは取っていない」と指摘する。ICEのデータによると、7月14日までの週にファンドによるブレント原油の買い越し額は増加したものの、その規模は3月下旬のピーク時を50%以上下回っている。サクソバンクのオーレ・ハンセン氏は、市場が「ヘッドライン疲れ」に陥っているとも分析している。

今後の見通し

現時点では複数の要因が重なり、原油価格は安定を保っている。しかし、世界の石油供給の約5分の1が通過するホルムズ海峡を巡る根本的な地政学リスクは依然として残っている。ベテラントレーダーのアディ・イムシロビッチ氏は「当面は潤沢な現物原油があるが、この状況が長くは続かないかもしれない」と警告しており、市場の均衡がいつ崩れてもおかしくない状況が続いている。

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