Story
ノボノルディスク、肥満症治療薬の広告を巡りイーライリリーを提訴

Summary
デンマークの製薬大手ノボノルディスクは、競合する米イーライリリーが自社の肥満症治療薬の優位性について虚偽の広告を行ったとして提訴した。急成長する市場での競争激化を反映している。
デンマークの製薬大手ノボノルディスクは、米国の競合イーライリリーが肥満症治療薬に関する広告で自社製品の優位性を偽って伝えているとして、米ニュージャージー州の連邦地方裁判所に提訴した。この訴訟は、急成長する肥満症治療薬市場における両社の熾烈な競争を浮き彫りにしている。
訴訟の概要
ノボノルディスクが火曜日に提出した訴状によると、イーライリリーは肥満症治療薬「ゼップバウンド」および糖尿病治療薬「マンジャロ」の全国的な広告キャンペーンにおいて、虚偽広告と不正競争を禁じる連邦法(ランハム法)および州法に違反したと主張している。
ノボ側は、問題となっている広告の取り下げと、訂正広告キャンペーンの実施を求める裁判所命令を要求している。イーライリリーが自主的に広告を撤回しない場合は、仮差し止め命令を求める方針も示している。
広告の比較手法が争点
ノボノルディスクが問題視しているのは、イーライリリーの広告が自社製品の承認済み最大用量と、ノボの「ウゴービ」および「オゼンピック」のより低用量を比較している点だ。ノボの主張では、この比較はより高い減量効果を示すウゴービの新高用量版を意図的に除外しており、消費者に誤解を与えるものだという。
Adノボの法務顧問ジョン・クッケルマン氏によると、イーライリリーの広告はゼップバウンドで約50ポンド(約22.7kg)の減量効果を、ウゴービの約33ポンド(約15.0kg)と比較している。しかし同氏は、両剤の承認済み最大用量を直接比較した臨床試験は存在しないと強調。それぞれの後期臨床試験では、最大用量での平均減量効果はゼップバウンドが約48ポンド(約21.8kg)、ウゴービが約47ポンド(約21.3kg)と、ほぼ同等であったと述べている。
市場への影響と背景
この法廷闘争の背景には、数十億ドル規模に成長すると見込まれる肥満症治療薬市場の覇権争いがある。ノボノルディスクとイーライリリーは、この市場をリードする二大巨頭であり、両社の競争は激しさを増している。
ノボによると、同社は今年4月にウゴービの7.2ミリグラム用量が米国で承認された後、イーライリリーに広告の停止を求める書簡を送付したが、回答はなかったという。今回の訴訟の結果は、両社のマーケティング戦略だけでなく、投資家や消費者の製品に対する認識にも影響を与える可能性がある。