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モデルナ株、年初来で倍増もウォール街は慎重姿勢 「容易な利益確定の局面は終了」との見方

Summary
モデルナの株価は年初来で2倍以上に高騰したが、ウォール街のアナリストの大半は「ホールド」評価を維持している。今後の成長はがん治療薬パイプラインの成否に大きく依存しており、楽観は禁物との見方が広がっている。
米バイオテクノロジー企業モデルナ(MRNA)の株価は、年初来で101.7%上昇し60.28ドルに達するなど、市場で際立った動きを見せている。しかし、この急騰にもかかわらず、ウォール街のアナリストは慎重な見方を崩しておらず、投資家にとっては容易に利益を得られる局面は過ぎたとの見方が大勢を占めている。
アナリストの評価は「中立」が大多数
Investing.comによると、モデルナを担当するアナリスト23人のうち、実に17人が「ホールド」(中立)のレーティングを付与しており、「買い」と「売り」はそれぞれ3人にとどまっている。この評価の背景には、強気派と弱気派の見通しが鋭く対立していることがある。
- 目標株価の乖離: 最も強気なパイパー・サンドラーは目標株価を77ドルに設定する一方、バークレイズやウルフ・リサーチは25ドルと、大きな隔たりがある。
- 格上げなき目標株価引き上げ: ゴールドマン・サックスは目標株価を49ドルから67ドルへ引き上げたが、レーティングは「中立」のまま据え置いた。ウルフ・リサーチは「ファンダメンタルズのストーリーは変わらない」と指摘し、最近の株価上昇は確定的なデータよりも、企業側からの断片的な情報に牽引されたものだとの見解を示した。
期待を集めるがん治療薬パイプライン
株価上昇の主な原動力は、同社のがん治療薬パイプラインに対する期待感だ。モデルナは最近、既製品のがん抗原治療薬として3番目となる「mRNA-4200」の第1相臨床試験で、最初の患者への投与を開始したと発表した。
Ad投資家が最も注目しているのは、個別化がんワクチン「mRNA-4157」だ。悪性黒色腫(メラノーマ)を対象としたこのワクチンの第3相臨床試験の中間データが2026年後半に発表される予定で、これが株価の方向性を決定づける最大のイベントと見なされている。この試験が成功すれば、同社のmRNA技術ががん治療分野でも有効であることが証明され、プラットフォーム全体の価値が再評価される可能性がある。
懸念される財務とリスク要因
一方で、投資家が警戒すべきリスクも多い。同社は依然として赤字経営が続いており、継続的な「キャッシュバーン」(現金の流出)が課題となっている。市場予想では、1株当たり利益(EPS)は2026年に-7.95ドル、2027年にも-6.25ドルと赤字が続く見通しだ。
さらに、過去12ヶ月の売上総利益率は-70%と厳しい状況にある。法務面では、7月にArbutus社との特許訴訟で和解金1億7800万ドルを支払ったほか、新たにCureVac社からも訴訟を起こされている。また、同社のスティーブン・ホーグ社長が7月15日に360万ドル相当の自社株を売却したことも、一部の投資家から警戒材料と見なされている。