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メルセデスCEO、米事業防衛を表明 中国系株主巡り圧力高まる

Summary
メルセデス・ベンツのCEOは、中国系株主を理由に米国市場から締め出される可能性に対し、事業防衛のため必要な調整を行うと表明した。米国での販売が好調な一方、中国市場で苦戦する同社にとって、地政学リスクへの対応が重要課題となっている。
メルセデス・ベンツのオラ・ケレニウス最高経営責任者(CEO)は28日、米国事業を保護するため必要なあらゆる措置を講じる考えを表明しました。同社の主要株主である中国企業を巡り、米国内で警戒感が強まっていることに対応する動きです。
米国で強まる中国資本への懸念
ロイター通信によると、米上院商業委員会は先週、中国の自動車メーカーの米国市場への参入禁止を強化する法案を可決しました。この法案は、理論上、中国企業が上位株主となっているメルセデス・ベンツの販売を禁止する可能性をはらんでいます。
現在、メルセデス・ベンツの発行済み株式の約20%を、中国の北京汽車集団(BAIC)と吉利汽車(Geely)の創業者である李書福氏が共同で保有しています。
ケレニウスCEOは第2四半期決算発表の場で、「いかなる規制を順守するためであれ、調整が必要になれば、米国での我々の存在と事業を確実に保護する」と述べました。「我々は地政学的な環境や米中間の競争について、甘い考えは持っていない」と付け加えています。
成長市場としての米国事業
メルセデス・ベンツは、EVへの急速な移行で後れを取り、中国での販売が急落しています。その一方で、米国は数少ない成長市場の一つとなっており、同社にとってその重要性は増しています。
Ad- 米国の販売実績: 2026年上半期の販売台数は15%増加し、中国での不振を一部補いました。
- 高い収益性: 特に米国で人気のある内燃エンジン車は、生産コストが高いEVに比べて利益率が高いです。
- 大規模な投資: 同社は米国事業に70億ドル超の投資を約束しており、これにはアラバマ州のSUV生産工場を強化するための2030年までの40億ドルの投資が含まれます。
独立系自動車アナリストのマティアス・シュミット氏は「米国で現地生産することは、金のなる木を意味する」と指摘しており、米国市場の収益性の高さを強調しています。
地政学リスクへの備え
ケレニウスCEOはまた、現在交渉中の北米貿易協定の改定結果次第では、米国でエンジン生産を開始する可能性も示唆しました。この協定には、米国独自の部品調達率(コンテンツルール)が盛り込まれる可能性があります。
CEOは、同社が米国の議論を注意深く監視しており、関係者との協議に「深く関与している」と述べ、地政学的な緊張の高まりに対応していく姿勢を強調しました。これは、サプライチェーンの再編や生産拠点の見直しを通じて、事業リスクの低減を図る戦略の一環とみられます。