Story
日本の企業買収、本格化はこれから ゴールドマン・サックス幹部が見解

Summary
ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントの幹部は、日本の企業買収やプライベート・エクイティ(PE)投資はまだ「初期段階」にあるとの見方を示した。企業統治改革を背景に、市場には大きな再編の余地があるという。
ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントのステファニー・フイ氏は、日本の企業買収やプライベート・エクイティ(PE)の活動はまだ「初期段階(early innings)」にあり、株式市場は統合・再編に向けて好位置にあるとの見解を示した。シンガポールで開催されたロイターNEXTアジア・イベントで語った。
企業統治改革が追い風
フイ氏は、日本が韓国やオーストラリアと並び、安定した経済と規模の大きな企業が存在することから、アジアで最もM&A(合併・買収)や非公開化案件が有望な地域の一つだと指摘した。
特に日本では過去3年間、海外のPEファンドの活動が活発化している。背景には、企業や取締役会に対し株主還元の向上を求める圧力が強まっているコーポレートガバナンス改革がある。
近年の案件としては、米投資ファンドKKRによる化学メーカーの太陽ホールディングス(銘柄コード:4689)の非公開化や、インターネットサービス大手カカクコム(同:2371)を巡るベインキャピタルとソフトバンク傘下のLINEヤフー(同:4689)、EQTによる買収競争などが挙げられる。
市場再編の大きな潜在性
Adフイ氏は、日本市場の再編ポテンシャルの大きさについて具体的な数値を挙げて説明した。「日本の上場企業数は約4,000社であるのに対し、米国のそれは約5,000社だ」と述べ、米経済の規模が日本の6倍であることを指摘。さらに、経済規模が日本と近いドイツの上場企業数が約400社であることに触れ、「日本は上場企業が多すぎると言えるかもしれない」と分析した。
日本には年間売上高が10億ドルを超える企業が1,000社以上存在し、これらが海外のPEバイヤーにとって魅力的な投資対象となっているという。フイ氏は「最終的に日本にどれだけの上場企業があるべきかは議論の余地があるが、我々はこのプロセスのまだ初期段階にいる」と締めくくった。
効率化と株主価値向上へ
こうしたPEによる活動の活発化は、日本経済全体で企業の効率化、株主価値、デジタル化への関心を高める効果をもたらしているとフイ氏は述べた。
同イベントでは、ベインキャピタル・ジャパンのチーフストラテジストである植山理仁氏も登壇。AI分野への投資について「我々の焦点は、サービス分野や消費者向けアプリケーションにおいて、AIによって勝者となるビジネスを見極めることだ」と語り、市場の一部には過熱感があるとも指摘した。