Story
ヘイリオン、GLP-1減量薬の利用者に照準 米国で売上増

Summary
鎮痛剤「アドビル」で知られる英ヘルスケア企業ヘイリオンが、GLP-1減量薬の副作用に対応する製品を専用コーナーに陳列する戦略で米国売上を伸ばしている。同社によると、CVSではこの戦略により第1四半期に店舗あたりの売上が平均24%増加した。
鎮痛剤「アドビル」などを手掛ける英コンシューマー・ヘルスケア企業のヘイリオンが、米国で急増するGLP-1減量薬の利用者に的を絞った新たな販売戦略で成果を上げていることが明らかになった。同社は副作用に対応する自社製品を薬局の専用コーナーに配置することで、売上を大幅に伸ばしている。
GLP-1利用者向けの新戦略
ヘイリオンは、米大手薬局チェーンのCVSファーマシーなどと協力し、GLP-1作動薬の利用者に向けた特設コーナーを設置している。ロイター通信が報じたところによると、この戦略は、通常の陳列棚に加えて専用コーナーにも商品を置く「二重陳列」が特徴だ。
ノボノルディスク社の「ウゴービ」やイーライリリー社の「ゼップバウンド」といったGLP-1薬は、吐き気、便秘、腹痛などの副作用が報告されている。ヘイリオンは、これらの症状を緩和する鎮痛剤「アドビル」、制酸薬「TUMS」、口腔ケアジェル「Biotène」などを専用コーナーで訴求している。
24%の売上増と今後の展開
ヘイリオンの広報担当者によると、この戦略は具体的な成果を上げており、専用コーナーを設置した店舗では2026年第1四半期に1店舗あたりの平均売上が24%増加した。同担当者は「CVSのGLP-1関連商品の棚スペースの大部分をヘイリオンが占めている」と述べ、専用棚での販売実績が、未設置店舗の同製品の売上を上回っていることを指摘した。
AdCVSファーマシーは声明で、副作用の管理を容易にするため、自社ブランドおよびナショナルブランドの一般用医薬品の品揃えを拡充しているとコメントした。ヘイリオンは、ウォルマートやターゲットといった他の大手小売業者ともこの店内戦略について協議したことを認めているが、協議の結果は明らかにされていない。
市場背景:急拡大する減量薬市場
この戦略の背景には、米国におけるGLP-1減量薬の急速な普及がある。調査会社ギャラップによると、米国人の約11%がGLP-1薬を使用しており、巨大な消費者層を形成している。
ヘイリオンの動きは、医薬品市場のトレンドがコンシューマー・ヘルスケア分野に新たな商機をもたらしていることを示している。減量薬の利用者が増え続ける中で、副作用対策というニッチながらも大きな需要を取り込む動きは、投資家にとって注目すべき点と言えるだろう。