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米長期国債の買い入れ拡大で金利・ドル低下、金価格は2カ月ぶり高値圏

Summary
米財務省が長期国債の買い入れ拡大を発表したことを受け、米国債利回りとドルが低下。これを受けて金価格は利息を生まない資産としての魅力が高まり、約2カ月ぶりの高値圏で推移している。
米財務省による長期国債の買い入れ拡大発表を受け、米国債利回りとドルが低下した。これに支えられ、金価格は20日、約2カ月ぶりの高値圏を維持している。
国債買い入れが金価格を支援
金価格上昇の直接的なきっかけは、米財務省が長期国債に関連する流動性供給オペの一部を拡大すると予想外に発表したことだ。この措置は国債への需要を高め、長期金利を押し下げる効果をもたらした。
金は利息を生まないため、国債利回りの低下は金の保有に伴う機会費用を減少させる。これにより、投資資産としての金の相対的な魅力が高まる。同時に、ドル安の進行もドル建てで取引される金の価格を支える要因となった。ドルが下落すると、他通貨を保有する海外の買い手にとって金は割安になる。
財政懸念とアナリストの見方
こうした動きの背景には、米国の財政状況に対する市場の懸念が広がっていることがある。米財務省のデータによると、連邦政府の債務総額は初めて40兆ドルを突破しており、財政の持続可能性に対する警鐘が改めて鳴らされている。
AdANZ銀行のアナリストは、財務省による買い入れ拡大は、政策当局が借入コストを抑制する意図があることを示唆していると指摘。「金融環境の緩和期待は、通常、金にとって有利な市場環境をもたらす」との見方を示した。また、中央銀行による継続的な金購入も、相場を下支えする一因となっている。
FRBのタカ派姿勢は重石
一方で、米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレに対して依然としてタカ派的な姿勢を崩していないことは、金価格の上値を抑える要因となっている。7月に公表された連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨では、インフレ率が目標の2%に向かわない場合、追加利上げもやむを得ないとする当局者が複数いたことが示された。
金利の上昇は、利息を生む資産の魅力を高めるため、一般的に金価格の重石となる。CME FedWatchツールによると、市場は9月の会合でFRBが金利を据え置く確率を67.3%と織り込んでいるが、今後の金融政策の動向は引き続き金の価格を左右する重要な要素となる。また、世界ゴールドカウンシルの調査では、中央銀行の45%がインフレや地政学リスクを理由に金準備を増やす計画だと回答しており、長期的な需要は根強いとみられる。