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世界の債券利回り、数十年ぶり高水準に 金利「高止まり」を市場が意識

Summary
先進国の国債利回りが今週、一斉に急騰しました。日本の10年債利回りは1996年以来となる3%を突破し、財政赤字拡大やインフレ、AI関連の起債増を背景に金利の「高止まり」が現実味を帯びています。
先進国の国債市場で利回りが急騰し、多くが数十年ぶりの高水準に達しました。財政赤字の拡大、高止まりするインフレ、AI(人工知能)ブームに伴う社債発行の急増を受け、投資家が長期国債を保有するリスクに対してより高い補償を求めていることが背景にあります。
世界的な債券利回りの急騰
今週、米国の10年物国債利回りは約4.80%に達し、昨年初頭以来の最高水準を記録しました。この動きは世界的な現象であり、日本の10年物国債利回りは1996年以来初めて3%の大台を突破。ドイツの10年物国債利回りも過去15年で最も高い水準に上昇しました。
ロイター通信によると、英国の30年債利回りは1998年以来、フランスの30年債利回りは約20年ぶりの高値を付けており、債券市場が世界的な現実認識の見直しを迫られていることを示しています。
利回り上昇の複数の要因
今回の債券市場の動揺は、複数の要因が絡み合っています。根底には、多くの主要市場で政策金利が「より長く、より高い水準(higher for longer)」に留まるとの認識が広がっていることがあります。
具体的な要因としては、以下の点が挙げられます。
- 財政状況への懸念: 各国で拡大する財政赤字が、国債の供給増を通じて利回りを押し上げています。
- AI投資ブーム: AIインフラへの巨額投資が活発な社債発行を促しています。半導体大手ブロードコムは、2028会計年度にAI関連半導体の売上高が約2300億ドルに倍増するとの見通しを示しました。
- エネルギー価格の上昇: 中東情勢の緊迫化を受け、ブレント原油先物価格は一時1バレル97ドルを超え、インフレ再燃への懸念を強めています。
Ad金融政策への思惑と為替市場
市場の焦点は、各国中央銀行の金融政策の行方に集まっています。米連邦準備制度理事会(FRB)のウォーシュ議長が先週のジャクソンホール会議でインフレ抑制への強い姿勢を示したことで、市場では9月15-16日の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ確率が約75%まで織り込まれています。
一方、FRBのウォラー理事は4日、ロイター通信とのインタビューで利上げに慎重な姿勢を示唆し、利回りの過度な上昇を一部抑制しました。
為替市場では、世界的な金利上昇の流れを受け、日本銀行(日銀)の利上げ観測が高まっています。これを背景に円は対ドルで今週約2%上昇し、1ドル=156円台で取引されるなど、1カ月以上ぶりの強い動きを見せています。
今後の注目点
今後の市場の方向性を占う上で、本日発表される米国の8月雇用統計が注目されます。市場コンセンサスでは、非農業部門雇用者数が5万6000人増と、7月の2万3000人減から回復すると見込まれています。
しかし、最大の注目点は来週のFOMCです。ウォーラー理事の発言はあったものの、市場の関心はインフレ動向にあり、雇用統計の結果が利上げ判断を大きく覆す可能性は低いとみられています。