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世界の国債利回り低下、米財務省の資金供給観測と制裁懸念後退で

米国債を筆頭に世界の国債利回りが25日、急低下した。米財務省が大規模な国債買い戻しに現金を活用するとの観測や、地政学的リスクへの懸念が後退したことが背景にある。
米国債主導で欧州も金利低下
米国市場では、金融政策の動向に敏感な2年国債利回りが4.215%に低下。市場の指標となる10年国債利回りは、直近の数カ月ぶりの高値である4.75%近辺から4.660%へと大きく低下した。
特に長期債の上昇が顕著で、30年国債利回りは心理的な節目である5.20%を再び下回り、5.197%まで急落した。同利回りは今月、約19年ぶりの高水準となる5.33%超を記録していた。
この動きは欧州市場にも波及し、ドイツの10年国債利回りは3.217%に、フランスの10年国債利回りは4.117%にそれぞれ低下した。
利回り低下の背景にある2つの要因
今回の金利低下には主に2つの要因がある。一つは、米財務省が約9,400億ドルに上る財務省一般勘定(TGA)の現金残高を、国債買い戻しプログラムの資金源として活用する可能性があると報じられたことだ。これにより、市場が吸収する必要のある純債務供給が減少し、特に長期債への供給圧力が緩和されるとの期待が広がった。
Adもう一つは、米国がイランに対して発表した経済制裁が、市場の予想よりも穏やかな内容にとどまったことだ。中東のエネルギー供給が即座に滞るとの懸念が後退し、ブレント原油先物価格は1バレル91.50ドル近辺まで下落。エネルギー価格を起点とするインフレ再燃への警戒感が和らいだ。
市場の焦点はNVIDIA決算とジャクソンホール会議へ
数週間にわたる激しい変動を経て債券市場が落ち着きを取り戻す中、投資家の関心は今週後半の重要イベントに移っている。
市場が注目するのは、26日に発表される半導体大手NVIDIA(エヌビディア)の決算だ。AI関連の設備投資は社債発行を通じて資金調達されることが多く、その動向は社債スプレッドや国債市場の需給にも影響を与えるためだ。
また、今週末に開催されるジャクソンホール経済シンポジウムでのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演も待たれる。市場は、FRBが現在の長期金利の高止まりを容認するのか、あるいは秋以降に政策調整を示唆するのか、その発言から手がかりを探ることになる。